クィーン('06)


ダイアナが事故死した後の一週間を描いたもの。
主人公はタイトル通り、エリザベス2世。
夫君のエディンバラ公や皇太后チャールズ皇太子、当時就任直後のトニー・ブレアらが登場する。


結論としては、ものすごく面白い。画面は静かに流れていくが、女王の決断一つ一つがハラハラドキドキです。これを見ていると、プリンセス・ダイアナは王室にとって厄介者だったのだなと、あらためて思う。母として姑としての感情よりも、国家元首としての、伝統の継承者としての尊厳を守らなければいけない女王の様子を見ていると、ついつい肩入れしたくなってしまった。


劇中で、勇壮な牡鹿が画面に登場する。
孤高の存在としての女王のメタファーなのだが、ろくでもない者(彼女にとっては下々の者)が、鹿狩りでしとめてしまう。この場面のヘレン・ミレンの演技は、アカデミー賞をとって当然といえるものです。


この映画、王室の人物(しかもまだ存命中)の会話などを軽々(きょうきょう)と描いている。ここまで描いてもいいの? と思うほど。エジンバラ公チャールズ皇太子なんかは、こんなに俗物なの? と思うほど。


かの国ではここまで描いているが・・
さて、某国のやんごとなき方々を映画化すると、もっと面白くなりそうな気がしますが・・。
無理だろうな・・・・。