2007-08-01から1ヶ月間の記事一覧
ニューヨーク出身のヴォーカル・トリオ。キューバ・グッディングの声ほど,「シルキー」という言葉が似合う歌手はないだろう。コーラスも黒人特有のアクを抜いたかのようなスムーズなものだし。例えるなら,喉ごしのよいなめらかな蕎麦みたいなもの。味付け…
ジョエル・スコット・ヒル(g)とジョン・バーベイタ(ds)とクリス・エスリッジ(b)の3人を中心にして行われたセッション。いわゆる「スワンプ・ロック」の範疇に入る盤。この盤の魅力はJ.S.ヒルの野太いギターの音と荒っぽいヴォーカル。スティーリー…
4つ上の従兄弟の家。小学生の頃に彼の家で荒井由実、井上陽水、エアロスミスやアメリカを聴いたのが私の音楽原体験。この”風”というユニットもそこでよく聞こえてきたものです。「22歳の別れ」や「なごり雪」のイメージが一変したのが、一曲目の「ほおづえ…
様々な音楽的変遷を経てきたジャッキー・ロマックスが'77年にリリースしたこの盤は,当時流行のボズ・スキャッグスあたりの雰囲気を感じさせるブルー・アイド・ソウル路線。A.W.B風の「Soul Light」,師匠であるジョージ・ハリソンの影響も感じさせる「Only …
カーティス・メイフィールドが興したカートム・レーベルの第1弾。前作の『We're A Winner』あたりで完成されたソウル・コーラス・スタイルは,さらに磨きがかけられている。加えて「People Get Ready」や「We're A Winner」で聴かれたような,黒人意識の高…
このグループはリード・ヴォーカルの弱さが欠点なんだけど,曲の良さ,アレンジの良さ,カバー曲のセンスはそれを補ってあまりあるもの。フランジャーのジェット効果が素晴らしい「Knock On Wood」,オーティス・レディングのカバーなのに暑苦しくない「Hard…
元スピナーズのリード・ヴォーカリストであったG.C.Cameronの'76年作。 彼のアルバムの中ではそれほど有名なものではなくて,本やウェブ上でも採りあげられているのを見たことがなかったのですが,内容は本格的なソウルで,なかなかよいものです。ジーン・ペ…
フィリー・ソウルの御大ボビー・マーティンをプロデューサーに迎え,MFSBをバックに従えた彼女たちの唯一のアルバム。 グラディス・ナイトを思わせるバーバラ・ロイのねばっこい熱唱と華麗なフィリー・サウンドが作り出すゴージャスな雰囲気は,これぞフィリ…
今聴いているのは『細野晴臣トリビュート・アルバム』('07 Avex)。気に入ったものを挙げると(順不同)■ハイスクール・ララバイ / リトル・クリーチャーズ ■風の谷のナウシカ / 坂本龍一 + 嶺川貴子 ■イエロー・マジック・カーニバル / Van Dyke Parks ■北…
以前に紹介した『Young Hearts Run Free』と同様に、サザン・ソウルの女王がディスコ路線に挑戦したアルバム。「Victim」,「Honest I Do Love You」のようなアップテンポのナンバーも悪くはないのだが,「ホントの私はこうなのよ」ってでも言いたげに熱く歌…
"Baby"と名乗っているくせに、全然ベビーじゃない巨漢シンガー。カーティス・メイフィールドのカートムからリリースした一枚。ジャケだけ見ていると、絶対に手を出さないであろう一枚ですな。でも、中身は最高にグルーヴィーでファンキーなモノ。同時期のカ…
ニュー・ヨークの3人組コーラス・グループの2ndアルバム。 パトリック・アダムスがプロデュースをしてます。 ジャケットが決まってますよねぇ。1曲目の「Third Rate Romance」(Amazing Rhythm Acesのカバー)からしてイカシた出来。続く「You Ain't No Ma…
C.C.M.系A.O.R.の大名盤とのこと。幸いなことに歌詞は左から右へと素通りしていくので,C.C.Mといっても関係なし。演奏とメロディが良質なら良いのである。とはいえ,この手のA.O.R.はサウンドはどれも似たり寄ったりだから,メロディが気に入るかどうかが大…
先日は1stの方を紹介しましたが,これはまたまた同じタイトルの2nd。バラードものの3曲がなかなかイイ出来です。泣きのバラードの「Baby Don't Ever Leave Me」,女性のうなじをやさしく撫でているかのような「I Don't Need」,モーメンツの「I Don't Wanna…
ハイタワーという名前からウィリー・ハイタワーを連想したのですが,まったく関係のないようです。それでも,シンガーとしてのスタイルはウィリーにも負けないディープな唱法。もともとはOrlonsというガール・グループのリード・シンガーだったらしいのだが…
'74年の『I'm In Need Of Love』が大人気のルー・コートニーが'76年にリリースしたアルバム。ソフト&メロウな前作とはうってかわって,こちらはファンキーな曲が並ぶアルバム。冒頭の「Call The Police / 911」はP-FUNKのGlenn Goinsのゴリゴリしたギターが…
ニュー・ジャージー出身の5人組が'76年にリリースした唯一のアルバム。いみじくも甘茶ソウル百科事典で「コレで踊らずに何で踊るんだって位のモン」と表現された「Never Get Enough Of Your Love」で幕を開ける盤。その「Never...」をはじめとして,続く「D…
イギリスのソングライター・コンビがたった1枚だけ残したアルバム。ジャケットを見てわかるようにむさ苦しい男たちだが,ココで聴ける10曲は極上のA.O.R。一聴して感じるのはシカゴ・ソウルへのあこがれだ(Ken Goldは後にThe Dellsの「Whatever Turns You …
変な話ですが,期待通り(?)の音の悪さにこちらはにんまり。やっぱりモーメンツは温泉の巨大浴場の中で湯煙に見え隠れするような音じゃないと珍棒が反応しないものです。実際に音がクリアになってしまった'76年の『With You』は「With You」と「I Don't Wa…
ジュディ・シルの幻の3rdアルバム。8曲に加えて,デモ音源や未発表音源も含めた2枚組。しかも'73年のライヴ映像(12分間)も含めた,豪華版。さらにジュディ本人のインタビュー記事や,彼女の関係者の回想をまとめたブックレットも貴重なもの。バックトラ…
'77年にリリースしたレスリー・ダンカンの5作目。このアルバムがヒットしなかったこともあって,彼女のアルバムはコレが最後のようです。ヒットしなかったといっても中身は十分に充実したもの。1stの頃から6年経って,もともとの温かい声に大人のというか…
いろんな方から絶賛されていたこのアルバム,ようやく聴くことができました。まさに噂にたがわぬ名盤。穏やかな春風のような1stも良かったけど,このアルバムはもっといいのです。幼なじみの女の子に同窓会で会ったら,お洒落で都会的な女性に変貌していたよ…
レスリー・ダンカンの'71年の1st。 この人のアルバムはどれもジャケットが良いんですよね。特別に美人というわけではないのですが,笑顔がいいのです。そして中身の方もそのジャケット同じ雰囲気。なんというか温かく柔らかい毛布にふんわりと包まれるような…
長いキャリアを持つ割には冷遇されていたモータウンの月見草,オリジナルズの'77年のアルバム。タイトル曲の「Down To Love Town」をディミトリ・フロム・パリスがリ・エディットしたこともあって,再び脚光を浴びたようですね。ディスコ全盛期のため,A面…
'74年にカートム傘下のGemigoからリリースされた『The Devil Made Me Do It』が人気の8人組。これは'71年にアトランティック傘下のCotillionからリリースされたもの。シカゴ出身のヴォーカル&インスト・グループなのですが,「Mr.Cool」という曲もあるよう…
あの名著『甘茶ソウル百科事典』の最初の項目に紹介されているアナコスティア(当たり前か?)の1st。 ご存じの方も多いとは思いますが,彼らの前身はプレジデンツ。 ヴァン・マッコイの秘蔵っ子たちですから,アルバムの全体を覆うのは心地よい横揺れのリズ…
この2人は3枚のデュエット・アルバムを残しているが,これがラストの作品。普段,お気に入りのアルバムをiPodに入れて聴いているのだが,このアルバムの曲のクレジットは”Marvin Gaye & Valerie Simpson”と出てくる。そう,当時病床にあったタミーの替わり…