クイーンズ・ギャンビット Queen's Gambit
松永良平さんのインスタで知った番組。
ネットフリックスのオリジナルのミニ・シリーズ。
児童養護育ちの女の子ベスが、チェスの世界で勝ち上がっていくという内容だが、主人公は勿論、他の登場人物も一人一人が味のあるキャラクターばかり。
ネタバレを避けて、ストーリー以外の部分に注目。
まずはファッション。
施設でのみすぼらしい制服。義母がセール会場で買った流行おくれの服。それが勝ち上がって、賞金収入を得るにつれ、ファッションがどんどん洗練されていく。
ラストシーンでのコート、帽子、パンツ、靴、すべて白でそろえた装いは、チェスの駒そのものであり、彼女の未来を表しているようだ。
続いて音楽の話題。
オリジナルのスコアが素晴らしいのは勿論、さまざまなシーンで挿入される選曲のセンスが見事だ。
まずはエピソード3.ベスも呼ばれたクラスメイトのパーティーのシーンで、TVから流れて、彼女以外が歌って盛り上がるのが、The Voguesの「You're The One」。
その姿をよそに、ベスは会場からそっと抜け出していく。クラスメイトの軽薄さを表すのにぴったりの軽快な曲。
Beth Harmon with the apple pi’s | The Queen’s Gambit
続いてエピソード5.
州大会で争った同年代のハリー(イケてない)が、ベスと同居してチェスの研鑽を積む。ベスには全くその気はないのだが、結果的にハリーは彼女の魅力にドキドキしてしまう。
そのシーンで流れてきたのが、ペギー・リーの「Fever」。オリジナルのLittle Willie Johnではなくて、女性ヴォーカルのカバーを使ったのがミソ。ベスの妖艶さと、その魅力に気づいてしまったハリーの「熱」を表すのに、この選曲はお見事。
The Queen's Gambit 1x05 Fever Peggy Lee #TheQueensGambit #Lareginadegliscacchi #AnyaTaylorJoy
エピソード5では、The Monkeysの「(I’m Not Your) Steppin’ Stone」が流れるシーンも良かった。
最後にエピソード6.大会のプレッシャーから、ベスはそれまで我慢していたアルコールにおぼれてしまう。そのシーンで流れてくるのは、Shocking Blueの「Venus」。
時代の雰囲気、退廃的なムードを表すの最適な選曲だ。
Beth's Downward Spiral - The Queen's Gambit - Full Scene | Netflix
エピソード6では、冒頭のドライブシーンでのStop Your Sobbing / The Kinks、早指しシーンでのYeh Yeh / Georgie Fame の選曲も見事。