卒業の朝('02)


 去年だったか、ミシェル・ファイファージョージ・クルーニーが主演した素晴らしき日という温かい佳作を見たのだけど、その監督がマイケル・ホフマン。そのホフマンがつくった映画。主演は「ソフィーの選択」や「遠い夜明け」にも出ていたケビン・クライン
 クラインが演ずるハンダートはヴァージニア州にある全寮制の名門男子校の歴史教師。そこに入学するのは裕福な家庭や上流階級の子弟たちで、将来は政財界などで「人の上に立つ」人材を育成してる"The Emperor's Club"(原題)なのだ。彼は一人の問題児に2度にわたって裏切られる。また自分が目をかけていた後輩のエルビーにも裏切られ、学校を追われる羽目になる。ハンダートのような生き方、要領よく立ち回って校長の座を得るエルビーや、親のコネで大企業の社長になる、かつての問題児ベルのような生き方の対比が見事に描かれています。
 コンクールで不正を行ったその問題児(ただし25年後)に対して言う「人間は、人生でいつか必ず鏡に映る自分を直視せねばならない時が来る」言葉、心にしみます。
 昔の日本には「お天道様が見ている」という言葉がありました。教育者の端くれとして、今でもこの言葉を大切にして子どもたちを育てたいと、強く思いました。

 ベルの姿がブッシュ元大統領とダブります。ベルも親のコネで名門イェール大学に入学するし、親の跡を継いで上院議員に立候補するし・・・。ブッシュは今頃鏡を直視しているのでしょうかねぇ。

卒業の朝 [DVD]

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