ビッグ・フィッシュ('03)

ティム・バートン監督作品。
サーカス、飛行機雲でのラブレター、水仙の中のプロポーズなど、いつもの彼のファンタジーなテイストも残しつつ、もう少し万人向けに仕上げた映画。今年見た映画の中で、たぶんベスト5に入るくらいに気に入ってます。特にベッドの上での父と子の最後のシーンはじーんと来てしまいます。
私にも大学1年になる息子がいるからわかりますが、息子は父のことを踏み越えていく壁のようなものと感じているのでしょう。

大きな魚の伝説、洞窟の巨人、桃源郷に住む桂冠詩人(スティーヴ・ブシェ−ミ)、ベトナム生まれの美人のシャム双子、妻(ジェシカ・ラング)となる女性との出会い・・・。子供の頃に聞かされた父エドワード(アルバート・フィニー/若き日をユアン・マクレガーが演じている)の脈絡のない英雄譚の身の上話を、成人した息子ウィルは信じてはいなかった。しかし父の病状悪化の知らせを受け、ウィルは妊娠中の妻を伴って勤務地のパリからアメリカ南部の実家へと急ぐ。そこでウィルは母親と妻の協力を得て、ベトナム戦争時代に青春を送った父の人生の全容をジクソーパズルを解くようにつかんでいく。古き良き、そして危険な時代への懐古に満ちた美しい作品。