マニフェスト / Superfly

 政治的なことを書くのは初めてだったかな?
民主党マニフェストより教育関係部分を抜粋。

15.全ての人に質の高い教育を提供する
【政策目的】
○学校の教育環境を整備し、教員の質と数を充実させる。
【具体策】

  • 全ての人にとって適切かつ最善な教育が保障されるよう学校教育環境を整備し、教育格差を是正する。
  • 教員の資質向上のため、教員免許制度を抜本的に見直す。教員の養成課程は6年制(修士)とし、養成と研修の充実を図る。
  • 教員が子どもと向き合う時間を確保するため、教員を増員し、教育に集中できる環境をつくる。
  • 公立小中学校は、保護者、地域住民、学校関係者、教育専門家等が参画する「学校理事会」が運営することにより、保護者と学校と地域の信頼関係を深める。
  • 現在の教育委員会制度を抜本的に見直し、教育行政全体を厳格に監視する「教育監査委員会」を設置する。
  • 生活相談、進路相談を行うスクールカウンセラーを全小中学校に配置する。
  • 国際社会の中で、多様な価値観を持つ人々と協力、協働できる、創造性豊かな人材を輩出するためのコミュニケーション教育拠点を充実する。

【所要額】
600億円程度

 7つの具体策に対して思ったこと。1つ目は「具体策」ではない理念的なものだから、評価はなし。
 3つめは大歓迎だが、増員をするということは予算との兼ね合いが問題だ。ここ数年の教育予算削減のあおりを受けて、教員の世界も正規採用ではない若い講師の方の比率が上がっている。彼らの責任ではないが、彼らに重要な仕事を任せることは難しく、その分中堅層の負担感が増している。増やすのなら、正規採用の教員を増加してほしい。
 4つめについては、すでにこれと似た組織で運用が始まっている。が、ここにある「教育専門家」とはなんだ? 県はともかく、この政策が市町村のレベルまで降りてくると、「教育専門家」は元校長といった教員OBが務めることになるだろうなぁ。
 5つめ。地域の名誉職みたいな教育委員の存在価値はあまり大きくないと思うが、その下で実際に働いている役所の方は有能な方が多い。教育委員会制度の抜本的な見直しとなると、その上部にある文部科学省の権限も大きく見直す必要があると思う。官僚にそっぽを向かれても政策を遂行する「責任力」が民主党にあると良いのだが。
 6つめ。スクールカウンセラーは今までにも設置されていたが、その役割に”進路相談”が入ったところが変更点なのかな? いわゆる「キャリア・カウンセラー」を全小中学校に置くとなると、その人員の確保は大丈夫なのか? キャリア・カウンセラーは小中学校に置くよりも高校の方が必要なのではないだろうか? 

 一番大きな問題は2つめの項目。このことは前々からいわれていたことなのだが、全員に義務づけることははたしてどうなのだろう? 修学年限を伸ばすよりも、医師免許のためのインターン制度のように、学校現場で児童・生徒や教師に実際に触れることの方が得るものは大きいと思うのだが・・・。実際に、2年前から始まっている教職大学院では、学部卒業の院生は週に三日の現場でインターンとして学んでいて効果をあげているようだ。ただし、すべての学生が現場に出るとなると、受け入れ先の問題が生まれてくる。これをどう解決するのか?

 教員組織の重層化について何も言及されていないが、このあたりはどうなんだろう? やる気と能力のある教員を評価し、収入面や権能面で差をつけるという施策は教員の質を上げるということに寄与すると思うのだが・・。支持母体の一つに日教組がある関係で、このことは載せられないのか?

 もう少しくわしく知りたいと探してみたら、こういうページを見つけた。詳しく読み取る必要がある。