ブライアン・ジョーンズ ストーンズから消えた男('05) ★★★

ローリング・ストーンズ創立時のリーダーであるブライアン・ジョーンズが'69年に溺死するまでの3ヶ月の生活を軸に映画は作られている。溺死の背景は、なるほどこういうことがあったのか・・・。事故死ではなく、他殺。映画で描かれていることがどこまで正確なのかは疑問なのだが、そう大きく外れてはいないのだろう。
 ギターのみならず、多彩な楽器の演奏技術を持っていながら、作曲はミック・ジャガーキース・リチャーズに任せきりだった彼。ドラッグに溺れてしまったために、アメリカ入国は認められず、レコーディングにも不参加となり、ストーンズの中でだんだん厄介者となっていく。このあたりはゴダールの『ワン・プラス・ワン』も合わせて見てみると、ブライアン・ジョーンズの姿が立体的に見えてくるだろう。映画の出来としては平凡なものだが、ローリング・ストーンズのファンは見る価値があるだろう。
 そうそう、ストーンズの映画でありながら、使われている音楽は彼らがカバーした曲のオリジナル(「Time Is On My Side」など)や彼らの曲をカバーしたものばかり。この映画そのものに反対して、ストーンズ側が楽曲の使用を許可しなかったらしい。