大学院集中講座

夏休みとなったので,木〜土は大学院の集中講座(三日間)に参加。
今回はcycle1ということで,先進校の実践記録をひたすら読み込むもの。
昨年のcycle1で読み込んだのは大学の附属中学校の実践記録(第1巻)だったが,今回はその第6巻。

第1巻では生徒の探究と学校文化の継承のシステムを学んだが,第6巻では教師の成長とそれを支える協働する組織のシステムを読みとった。

「発意−実践−省察」のサイクルによって,子ども,子どもの組織(学年),教師,教師の組織,それぞれが相似形で成長していることがわかる。成長させるためのしくみが上手に作り込まれているためだ。この相似形の成長がフラクタル構造というものなのだと,三日目にやっと理解できた。

この夏休みは2日の1冊の割合で本や実践記録を読み込むことを自分に課す。
今のところ読み終えたのが,

1.勝見先生の実践記録 
「発意−実践−省察」のサイクルで,勝見先生ご自身の成長の跡がよく見える。自分の弱みをさらりと書ける強さが自分には欠けている点と認識する。事実だけでなく,感情も書き落としていくことが肝要だと,今頃になって気がついた。


2.岩瀬直樹氏の実践記録  
有名な岩瀬氏が上越教育大学に内地留学していた時の論文。組織論,羅生門的アプローチ,暗黙知形式知,校内研究の進め方など,参考になることが山盛り。昨年の集中講座で読んだウェンガーの『コミュニティ・オブ・プラクティス』の考え方が随所に表れていて,もう一度読みたくなる。


3.附属中学校の実践記録(第6巻)  
今回の集中講座で読み込んだもの。附属中学校という,ある意味,特殊な環境に送り込まれた転入者(新参者)を支援するシステムがどうなっているのか,興味をもった。ポイントは「部会」の存在。4つの部会が教師を成長させる組織として機能している。4つの小さな渦が共鳴し合って,学校という大きな渦となっている。これもまたフラクタル構造。

専門職として学び合う教師たち (シリーズ 学びを拓く≪探究するコミュニティ≫) (学びを拓く《探究するコミュニティ》)

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