夏の読書

12.教育方法学佐藤学
 「教育方法学」というタイトルは誤解を呼びそう。教育学全体を俯瞰するような入門的な書。ドナルド・A・ショーンの理論「省察的実践」について,この書を読んでやっと理解できた気がする。

教育方法学 (岩波テキストブックス)

教育方法学 (岩波テキストブックス)

13.知識創造企業野中郁次郎・竹内広高)
 企業の組織理論について,多くの実例を紹介してわかりやすく紹介している。学校の現場でも暗黙知形式知のSECI理論などについては,適用可能である。
知識創造企業

知識創造企業

14.「忘れられた日本人」を読む網野善彦
 宮本常一『忘れられた日本人』をもとに,網野善彦が「アジール(無縁)」「遍歴民」「日本という国号」「東日本と西日本のちがい」「百姓について」,いわゆる網野史観を述べている本。
 音楽に例えると,サム・クックの曲をボビー・ウォーマックがカバーしているといえば,わかりやすいか? (全然,わかりやすくないよなぁ)。 ライトニン・ホプキンスのブルーズをミック・ジャガーが歌ってると言えばよいか? (これもイマイチ) リトル・リチャードの曲をポール・マッカートニーがシャウトしているという感じか? 
 まあ,とにかく民俗学の巨人 meets 中世史学の天才といったもの。宮本常一網野善彦も文章が軟らかくて,とても読みやすいのだ。

『忘れられた日本人』を読む (岩波セミナーブックス)

『忘れられた日本人』を読む (岩波セミナーブックス)