夏のセレクト Suite For Late Summer

howdymoon2011-08-29


ウォーキングで沿道を歩いていると秋の香りがしてきます。私の場合、それを感じるのは、稲刈り後の稲わらの匂いなのです。

月末になりましたので、恒例のセレクトCDをつくってみました。
いつもはその1か月間に聴いた曲の中で気に入ったものを選ぶのですが、今回は「Suite For Late Summer」と題して(Dionのアルバムから拝借)、夏にちなんだ曲を選んでみたのです。
今回の曲順は、歌詞や曲の雰囲気をもとに考えて並べました。

  1. 夏の終わりに / シュガーベイブ
  2. 夏なんです / 前園直樹グループ
  3. Summer Sun / Koop feat. Yukimi Nagano
  4. Summer Dreaming / Harmony Grass
  5. Summer Means Fun / Bruce & Terry
  6. Summer Time / CRAZY KEN BAND
  7. Summertime (in India) / Edwin Moses
  8. Summertime And I’m Feelin’ Mellow / MFSB
  9. Summerlight / Billy Wooten
  10. シカーダ / バンバンバザール
  11. They Tell Me It’s Summer / The Fleetwoods
  12. Summer Daze. / Patterson & Pults
  13. Sweet Summertime / Miss Abram And The Strawberry Point 4th Grade Class
  14. 日本少年の夏 / Lamp
  15. Summer Sun / Duncan Stitt
  16. ずっと読みかけの夏 / 冨田ラボ feat. CHEMISTRY
  17. 夏の思い出 / 土岐麻子
  18. I Didn’t Have Any Summer Romance / Carole King
  19. Is The Summer Really Over / Chris Rainbow
  20. Sound Of Summer’s Over / Summer Wine


1曲目はこのコンピ盤の軸となる曲。シュガーベイブ『Songs』(30th Anniversary Edition)から、ボーナストラックとして収録されていたデモ曲。

 燃える日が傾き  ぼくにわかることは  
 君と僕の終わる今は  つるべ落としの秋の始まり

という歌詞が今の時期にピッタリなのでは? 

2曲目ははっぴいえんどの「夏なんです」を前園直樹グループがカバーしたもの。
「ぎんぎんぎらぎらの夏なんです」という歌詞なのに、暑さも、湿気も感じさせないようなクールな曲になってます。
今年発売された『遠くへ』は、小西康陽『PIZZICATO ONE』とセットで聴くと、味わいが倍増されるアルバムです。「わび」とか「さび」を感じさせるんですよね。


3曲目のKoopスウェーデンのDJとピアニストのクラブ・ジャズ系のユニット。Yukimi Naganoというヴォーカリストを迎えて、涼しげなボッサ・ジャズを展開しています。


4曲目は大西洋を挟んだイギリスの地からビーチボーイズに憧れたトニー・リヴァースたちのグループ。この「Summer Dreaming」という曲は、ビーチボーイズのカバー曲と言っても信じちゃうほど、本家にそっくりです。実は本家ビーチボーイズよりも、このハーモニー・グラスの方が好きなのです。


5曲目は後にビーチボーイズに入ることになるブルース・ジョンストンとテリー・メルチャーの’64年のシングル。夏の始まりといったウキウキした気持ちにさせてくれる曲ですね。


6曲目は一転してレゲエ・スタイルの曲。横山剣さんの声は聞こえてきませんが、まぎれもなくクレイジーケンバンドの曲。菅原愛子さんのヴォーカル。


7曲目はEdwin Moses。懐かしのネオアコ / ギターポップを思い出させるような軽快な曲。


8曲目はフィリーのMFSBギャンブル&ハフがプロデュースした'76年の『Summertime』から、マクファデン&ホワイトヘッドがつくった曲。


9曲目はレア・グルーヴ・シーンで人気を呼んだヴァイヴ奏者Billy Wootenの『In This World』('79)から、夏の夜を思わせるようなメロウな曲。


10曲目はセミの鳴き声で始まる「シカーダ」。蝉という意味です。大好きな『Suge Ban-Ba』というアルバムから、『Cahoots』の頃のザ・バンドを思わせるようなサウンド

蝉の鳴くころに 君とお別れだ  
遊びすぎて疲れたから一休みってとこさ
でも秋の実転げ落ちてさみしくなったら  
思い出して泣くかも
シカーダ 鳴く シカーダ

11曲目はワシントン出身の男性一人、女性二人のヴォーカル・トリオのフリートウッズの'62年の曲。男性がリードで女性がバックコーラスというスタイルです。ランディ・ニューマンがソングライターとして関わった曲を集めた『On Vine Street: Early Songs of Randy Newman』というアルバムから。


12曲目はテキサス産アシッド・フォークのパターソン&パルツが77年にリリースしたアルバム『Grand Tetons』から、アコギの響きが爽やかな曲をチョイスしました。


13曲目はカリフォルニア州ミル・バレーの小学校の先生(Rita Abrams)と4年生の生徒達が創りあげた優しさに溢れた作品集。ほとんどが先生のオリジナルで,カレン・カーペンターにも似た温かいヴォーカルもさることながら,メロディ・メイカーとしてのセンスも相当なもの。そのポップなメロディに子供たちがコーラスをつけているのですが,これがまた脱力もののかわいさ。Erik Jacobsenのサポートも見事。


14曲目はLamp『ランプ幻想』から、夏の午後のちょっと気だるい感じの時間帯にピッタリする曲。
この『Lamp幻想』というアルバムは2000年代の10年間を代表するアルバムだと思いますが、過大評価しすぎでしょうか。

15曲目はすいぶん前にきよさんからいただいたコンピに入っていた曲。’79年の曲という以外は情報なし。男っぽい声、ゆったりとしたリズム。私の中ではちょっと涼しくなってきた8月下旬の昼下がり、午後4時ころというイメージなのです。


16曲目。この曲あたりから、夏もいよいよ終わりといった雰囲気の曲が並びます。日本に戻って、冨田ラボの曲。ゲスト・ヴォーカルはCHEMISTRY糸井重里が書いた歌詞は短編映画か、上質のCM映像を思わせるような素晴らしい歌詞。青年が少年の頃の情景と感情を思い出しているもの。曲は冨田ラボですから、もうゴージャスなA.O.R.になってます。'06年の『Shiplaunching』から。


17曲目は土岐麻子ケツメイシの「夏の思い出」をカバーしたもの。と言っても、ケツメイシのオリジナルを聴いたことが無いので、比べることは出来ませんが、土岐麻子はジャジーなアレンジで仕上げています。カバー曲を集めた『Weekend Shuffle』('06)から。


18曲目はキャロル・キングが’62年にリリースしたシングルのB面に収録されていた曲。夏が終わって新しい学年が始まるころでしょうか、少女が「夏の恋なんてなんにもなかったわ」と歌う切ない曲。決して美人とは言えないキャロル・キングにこんな歌詞を歌わせたジェリー・ゴフィンもなかなかやりますね。

They're always writing songs about a summer love
That never seems to last beyond the fall
But I've a different reason for crying this season
The reason that can hurt you most of all

I didn't have any summer romance
Nobody bothered to break my heart in two
While others were fooled by the sweet words someone vowed
I was the one who made company a crowd

I didn't walk down the beach in a trance
Or listen to little white lies that sounded true
And no one could be as blue as I was in the fall
'Cause I didn't have any summer romance at all

No one could be as blue as I was in the fall
'Cause I didn't have any summer romance at all

19曲目はクリス・レインボウの‘75年の1st『Home Of The Brave』から、夏は本当に終わっちゃったのか という曲。曲の後半には、ビーチボーイズを思わせるようなのコーラス(一人多重録音)が出てくるところがチャーミング。


ラストはこれぞまさに夏の終わりという「Sound Of Summer’s Over」という曲。このSummer Wineというグループはトニー・リヴァース(4曲目にも登場)がつくったスタジオ・グループ。ビーチボーイズが好きで好きでしょうがない感じがよく出ています。 昼の気温はまだまだ高くても、夕方になるとずいぶん涼しくなる今の時期にピッタリくる曲なのです。



いつものように、このセレクトをご所望の方は

pizzicatomania2002アットマークyahoo.co.jp  まで、気軽にご連絡ください。