The Notorious Byrd Brothers / Byrds (1968)

howdymoon2005-10-26



音楽にはリアルタイムで聴くことによって、より輝きが増すタイプのものがある。'70年代中頃のパンク・ロックがその代表であり、私にとって初期のバーズもそのタイプだ。21世紀の今聴くよりも、リアルタイムで聴いていたとしたらもっと違った聞こえ方がしてきただろうに・・・・と思えるのだ。


このアルバムはフォーク・ロック時代のバーズの最後の作品。例によって深い霧の中を泳ぐようなサウンド・プロダクション。その音作りがちょっと苦手なのだけれど、このアルバムの場合、所々に差し込むきらめきの方が大きい。例えばゴフィン&キング作の「Goin' Back」、同じく「Wasn't Born To Follow」。どちらもポップなメロディにカントリー・テイストが香る良品。特に後者はブリッジの部分で登場するジェット・マシーンが不思議な雰囲気を作り出している。続くカントリー・ワルツの「Get To You」も次のアルバムの『Sweetheart Of The Rodeo』の予告編みたいでうれしい曲。


ベストトラックは「Tribal Gathering」。5拍子の波に揺られていると、つい繰り返して聴きたくなりリピートしてしうような名曲。サイケなギターの響きもこれなら好きになれる。このアルバムの魅力が凝縮された2分間だ。