Diana & Marvin / Diana Ross & Marvin Gaye (1973)

howdymoon2005-11-21



1973年の作品ですから、『TROUBLE MAN』『LET'S GET IT ON』の間にリリースされたもの。


ご存じのようにマーヴィン・ゲイは'64年にMARY WELLSと、'66年にKIM WESTONと、'67、'68、'69年にはTAMMI TERRELLとのデュエット・アルバムを発表している。そのTAMMI TERRELLの早すぎる死以降、デュエットアルバムを二度と作らないという誓いを捨ててまで(しかも『LET'S GET IT ON』の録音を中断してまで)、取り組んだのがこのアルバム。『TROUBLE MAN』の前年に発表された『WHAT'S GOING ON』で、ソングライターとしてもクリエイティブであることを証明したのにも関わらず、このアルバムでは彼の作品は1曲もない。しかも、正真正銘のデュエットではなく、二人が別々に録音したという事実を、後に彼自身が明らかにしたといういわくつきのアルバムである。モータウンのキング&クィーンの共演と評判になったが、その影にはBERRY GORDYの思惑に反発しながらも、乗ってしまったアルバム。


とはいえ、アルバムに収められている曲が悪いというわけではない。当時人気絶頂のSTYLISTICSの「YOU ARE EVERYTHING」「STOP,LOOK,LISTEN」のカバーや、ASHFORD & SIMPSON作の「JUST SAY JUST SAY」「MY MISTAKE」あたりは、このアルバムに関するいろいろな雑音が聞こえなくなるくらい、素晴らしい出来である。それでもWILSON PICKETの「DON'T KNOCK MY LOVE」は二人に似合ってないように思うけど・・・。