Hutson / Leroy Hutson (1975)

howdymoon2005-11-20



リロイ・ハトソンの3枚目。
師匠筋に当たるカーティス・メイフィールドダニー・ハサウェイスティーヴィー・ワンダーなどのニュー・ソウルを代表するアーティストと比べると,一般的な知名度はちょっと下がるが,曲作りやアレンジの才能は決して劣っていない。カーティスのようなメッセージを含んだ歌詞,ダニーのような(一瞬の)きらめき,スティーヴィーのようなバラエティ豊かな曲作りはないのだが・・。なんというか,シーズンが終わったら,いつの間にか2割8分,20本を打っていた6番バッターみたいなポジション。


このアルバムだが,ソロ・デビュー作の『LOVE OH LOVE』に残っていたインプレッションズの影響はだいぶ薄まって,独自の世界を築いている。このアルバムの気持ちの良さの原因は「ゆらぎ」感。随所にフェンダー・ローズが鳴っているが,ローズの特徴ともいえる音の「ゆらぎ」が,たまらなく心地よくさせてくれるのだ。ローズにやわらかいストリングスやホーンがからみ,これまた甘いトーンのフィル・アップチャーチのギターがきらりと光る。そんな曲の代表がバラードの「Can't Stay Away。アップテンポなナンバーも,もちろんスバラシイ出来。ベースがフレーズをループする所なんて,20年先を行ってます。