All The Answers / Raul Midon(’07)

 行き帰りの車中で聴いたのはRaul Midonの『A World Within A World』(’07 Manhattan)。
 1stの『State Of Mind』は、ほんとによく聴いたもの。音そのものもそうだけど、You Tubeで目にした彼の演奏ぶりに目が釘付けになったモノでした。
 2年ぶりの新作、まだ、1,2回しか聴いていないのですが、前作と比べて、よりコンテンポラリーな方向に、またアーバンな方向に進んでいるように思います。彼の特徴であった、驚異的なギターのテクニックも、あまり全面に出てきていませんし。
 よく言えば、より現代のリスナーに受け入れやすくなったと言えるかな(実際に一緒に聴いていた息子が前作よりもいいね、って言ってた)。歌詞もパーソナルなことではなく、より広い世界のことを歌っているようだし、エレキ・ギターやストリングスを導入した曲もあるし。
 前作が衝撃的だっただけに、同じ手触りや完成度を求めるリスナー。一方で作り手側は同じ地点に停滞することを許されないし、自らも欲していないのに。享受するだけの身分は身勝手ですね。
 傑作かどうかということは、もうちょっと保留しておくことにします。