Writer / Carole King
キャロル・キングの記念すべき1st ソロアルバム。
"Writer" とはまさに当を得たタイトルではないか。"Song Writer" としては自他共に認める存在であった彼女は,"Singer" としては自信が全くなくて,人前で歌うことを恐れていたという。そんな彼女のちょっと自虐的な思いがタイトルに表れているような気がする。それでも実際に聞こえてくる歌はやわらかくナチュラルなものだ。ジョー・ママの連中のバッキングも的確で素晴らしい。
スワンプな「Sweet Sweetheart」,彼女にしては珍しくロック色の強い「Spaceship Races」,ソウルフルな「No Easy Way Down」など,楽曲もバラエティに富んでいる。そんな中でベスト・トラックは「Music」や「Snow Queen」を思い起こさせるようなジャズワルツの「Raspberry Jam」。ダニー・コーチマーの乾いたギターの音色やオルガンの響きもジャズ色の強いものだ。かつてバーズに提供した「Goin' Back」もいい出来だ。ジェームス・テイラーの柔らかな音色のギターと控えめなコーラスがうれしい。