大統領の陰謀('76)

 ウォーターゲート事件を追うワシントンポスト紙の二人の記者を描いた半ドキュメンタリー映画
 初めて見たのですが、ウォーターゲート事件に関する予備的な知識がないと、いろんな関係者の名前が次々と出てくるために、なかなか理解が出来ないものになっています。事件が起こったのが'72年、ニクソン大統領が辞任に追い込まれたのが'74年、そして映画公開が'76年と、記憶に新しい時期だったために、アメリカ国民にしてみれば、一連の事件を理解しやすかったのでしょう。
30年後の日本で見ても、細かいところは難しいにしても、二人の記者が事実を次々に積み重ねていく様子の緊迫感は伝わってきます。「半ドキュメンタリー」と書いたのも、ドラマチックな要素を徹底的に排除して、事実を淡々と描いているように見えるからなのです。それゆえ音楽も極力控えられており、そのわずかな音楽が効果的でした(音楽担当はデヴィッド・シャイア)。
 二人を演じているのは若き日のロバート・レッドフォードダスティン・ホフマン。当時、日本でもレッドフォードの人気は高かったですね。この時期のニクソン大統領の苦悩を描いたオリバー・ストーン監督の「ニクソン」と合わせてみることをオススメします。