ファーゴ('96)


言わずと知れたコーエン兄弟の名作。見るのは2回目。

ミネソタ州ミネアポリスに住むカー・ディーラーのジェリー・ランディガード(W・H・メイシー)は借金返済のために自分の妻ジーンを誘拐し、会社のオーナーでもある義父から身代金をいただこうと考えた。誘拐を実行するのは、前科者の従業員から紹介された妙な二人組、カール(S・ブシェミ)とグリムスラッド(P・ストーメア)。だがジーンを自宅から誘拐した二人は、隣町ブレイナードまで逃げたところで、停車を命じた警官と目撃者を射殺してしまう。ブレイナードの女性警察署長マージ・ガンダーソン(F・マクドーマンド)は事件を追ってミネアポリスに赴くが、その間にも狂い始めた誘拐計画は次々と犠牲者を産んでいく……。(all cinemaより)

登場人物の一人ひとりがとても印象に残る。マンガ風に言えば、キャラが立っているという表現がピッタリ来るのだ。偽装誘拐を仕掛ける哀れジェリー。目撃者から「変な顔」と繰り返し言われてしまうカール。シュレッダーに紙を入れるが如く、ジェリーの妻の体を粉砕機に入れているグリムスラッド。冷静な推理をする一方で、ほんわかとした人の良さが表れている女性署長のマージ、それに輪をかけてほんわかしたマージの夫・・。
ストーリーそのものは淡々としているのだが、人物描写と俳優の演技がとても面白く、100分がとても短く感じる映画でした。
真っ白な雪の中に車が表れるオープニングと、夫の絵が3セント切手に採用されて云々というラストシーンが、本当に見事。あのラストシーンは賛否両論なのかも知れないけど、あのシーンで終わらせるのって、とても見事だと思うんだけどなぁ。