ある子供('05)

 これもパルムドール受賞作品。それにしても、いい悪いは別としてヘンテコな作品ばかりを選ぶものだ。

定職につかず、少年たちを使って盗みを働き、盗品を売ってその日暮らしをしている20歳の青年ブリュノ。ある日、ブリュノの子どもを出産した18歳の恋人ソニアが病院から退院してくる。子どもを見ても何の実感も感じないブリュノ。盗品を売った金でドライブに行ったブリュノとソニアは、まるで子どものようにじゃれあう。しかしブリュノはソニアに子どもの世話を頼まれた間に、カメラを売るように子どもを売ってしまう。(映画生活より)

 自然なひかりそのままの照明のせいか、音楽がまったく流れてこないせいか、まるでドキュメンタリーを見ているかのような映画。子供の泣き声さえほとんど聞こえてこない。赤ちゃんの顔を映すことは一切無い。「ある子供」とは20歳のブリュノ自身なのだ。 

ある子供 [DVD]

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