子どもも教師も元気が出る授業づくりの実践ライブ / 佐藤暁 (2009 学研)

 小牧市副島孝教育長の教育委員だよりに紹介されてあったので購入。
 通常学級の中でも「困り感」を持つ発達障がい児がおよそ1〜2割いると言われている。そのような子どもたちに対して、われわれ教師はどのような手だてをとるべきなのか、保育園や幼稚園から中学校までの授業づくりが、具体例をもとに記述されている。また、その後の授業研究会での話し合いについても、その場面が目に浮かぶような口語体で書かれており、まさに「ライブ」と言っていいような内容だ。
 佐藤先生の主張は「困り感」を持つ児童・生徒に対して、最も優先されるべきものは授業づくりだと。授業の中で困っている子どもは、授業で救おう、と唱えている。
 最近、授業研究および教師教育に興味がある自分にとっては、研究授業とその後の授業研究会のあり方についての提案も共感した。つまり、これまでの発問や指示、教材の提示など、「教師側の指導や支援のあり方から考える研究授業」ではなく、「子どもの学びを語る授業公開(研究授業と研究協議会)」を呼びかけている点だ。これはまさに、来春から進学する予定の教職大学院でも強調されていたことであり、今の自分に必要な視点である。この考え方を今月中旬にあるうちの学校の授業研究会にも導入してみようと考えている。