Almost Instrumental

数年前までセレクト合戦(*1に参加していました。かつてのお仲間のサイトで今回のテーマ(Almost Instrumental)で編集したコンピを見ていると、ムズムズと昔の血が騒ぎ、あれにしよう、これも捨てがたいと、仮想コンピ盤をつくってしまったのです。 というわけで、私のセレクトはこんな感じ。曲順までは考えていないので、ざっと並べてみます。

1 Theme From Take-Off (Magic Sunset)/ 砂原良徳('98)
アルバムのスタートはこれでしょう?
電気グルーヴ砂原良徳の3枚目のアルバムから。今はなくなってしまった航空会社「 PAN AMパンナム)」 へのオマージュという設定のアルバムの目玉とも言えるようなこの曲でテイク・オフ。

THE SOUND OF´70s

THE SOUND OF´70s

2 The Frog / Joao Donato('70)
'73年の名盤『Quem É Quem』では、帽子を目深にかぶって顔を上げようとしなかったドナートでしたが、この『A Bad Donato』のジャケには眼光鋭い彼の姿。そしてタイトルの下には”psychedelic funky experience”の文字。その名の通り、ここにはクールでファンキーなドナートがいる。後に再演する「The Frog(A La)」から始まるが、手数の多いドラム、ひずんだエレピ、吹きまくるホーン・・・・と、それまでのドナートのイメージが崩れるような暴れぶり。アレンジは本人とデオダート。

Bad Donato

Bad Donato

3 O Sapo(The Frog)/ Roman Andren ('08)
カエルつながりで。ローマン・アンドレンは“スウェーデンのデオダード”と呼ばれている鍵盤奏者。なんの予備知識もなしに聴いていると、'70年代あたりの曲のように聞こえますが、現在進行形のアルバムから。これもエレピです。

Juanita

Juanita

4 Superwoman/Where Were You Last Winter / Yesterdays New Quintet('04)
Madlibの変名プロジェクトによるスティービー・ワンダーのカバー集から。
フェンダー・ローズの響きが気持ちいいです。インストが続くと、途中で飽きて来ちゃうのですが、こういう有名曲のカバーはうれしいものです。

Stevie: Instrumental Tribute to Stevie Wonder

Stevie: Instrumental Tribute to Stevie Wonder

5 One To One(reprise) / Syreeta ('77)
スティービー・ワンダーつながりで、この曲をチョイス。この『One To One』というアルバムにはシリータの歌入りバージョンも有りますが、アルバムのラストにあるインストバージョンの方が気に入ってます。歌が無い分だけ、David T. Walkerのギターが前面に出て、James GadsonやChuck Rainyのリズム・セクションとからんで,心地よいグルーヴを生み出しています。この曲のアレンジは絶品ですね。

ワン・トゥ・ワン

ワン・トゥ・ワン

6 What's Goin' On? / Weldon Irvine('76)
次もカバー。マーヴィン・ゲイのこの曲のカバーは数多くありますが、どんなふうに料理されていても、聴き通せるのは原曲の良さ。このウェルドン・アーヴァインのバージョンも素晴らしい出来です。有名な『Sinbad』から。

Sinbad

Sinbad

7 You've Made Me So Very Happy / Frank Cunimondo Trio ('71)
このままカバーで行ってしまおうかな・・。でも、下手すると「歌の無い歌謡曲」になっちゃうしな。
このアルバムだと、カーペンターズの「We've Only Just Begun」のカバーの方が有名ですが、以前、第1回目のセレクトCDに入れてしまったので、その次の曲に。この『Echoes』というアルバムは、今は廃盤のようですね。 

 Don't Interrupt The Sorrow / Brad Mehldau ('07)
ジョニ・ミッチェルのトリビュートアルバムから。ブラッド・メルドーのピアノによるカバー。

9 モーリス・ラヴェル作曲『クープランの墓』より「前奏曲」/ パスカル・ロジェ(piano)
クラシックにそれほど詳しいわけではないのですが、家内が今でもコンクールに出続けているくらいのピアノ弾きなので、ピアノの音は日常生活に溢れています。妻がかつてコンクール出場用に『夜のガスパール』の中の「スカルボ」という曲を弾きまくっていたわけですが、『夜の・・』では、「水の精」の方が好きだし、もっと好きなのが、「水の戯れ」や『クープランの墓』の中の「前奏曲」。パスカル・ロジェのピアノで。
クープランの墓』はオーケストラ版も捨てがたいなぁ。

ラヴェル:ピアノ曲全集

ラヴェル:ピアノ曲全集


10 Garota De Ipanema / Zimbo Trio('65)
あの有名曲「イパネマの娘」をジンボ・トリオが高速ボッサで演奏。ピアノも凄いが、ドラムのライド・シンバルも凄技です。

Zimbo Trio

Zimbo Trio

11 E Nada Mais / Rio 3('68)
オズマールミリートがかつて在籍していたリオ・トレスのアルバムから、ジャズボッサのこの曲をチョイス。スキャットとピアノはオズマールミリート

Valley Samba

Valley Samba

12 Genghis / Chico Hamilton ('73)
最後は一転してダークな雰囲気の曲で〆。 ジャズ畑のドラマーのチコ・ハミルトン名義の曲。ぶっといベースの音、細かく震えるスライド・ギターの音、エレピが重なり合って、じわじわと良さが感じられる曲ですね。スライドを弾いているのは、なんとロウエル・ジョージ。
ブック・オフで250円で見つけた不思議なコンピ盤から収録。

Pulp Fusion: Bustin' Loose

Pulp Fusion: Bustin' Loose

ふう、久々につくってみましたが、やっぱり大変ですね。でも、楽しかったなぁ。

*1:毎回テーマを決めて、コンピレーション・アルバムをつくるという試み)