A Quiet Storm / Smokey Robinson

howdymoon2010-10-27


 もともとモータウンの大黒柱として数多くの名曲を作ってきた彼,メロディ・メイカーとしてもプロデューサーとしてもR&B/ソウル界では殿堂入りをするような存在。ヴォーカリストとしても細かくふるえるファルセットはゆったりしたバラードになるとより魅力を増してくる。
 このアルバムの1曲目は,メロウでスムースなR&Bのスタイル"クワイエット・ストーム"の名称のもととなった名曲で、うっとりするほどに甘くロマンチック。浮遊感のあるバックトラックに彼のファルセットがはめ込まれたような一体感のある曲。曲間の風の音に続いて,名曲「Being With You」をさらに甘さを増したような「The Agony And The Ecstasy」が続く。このアルバムのハイライトが3曲目の「Baby That's Backtcha」。フルートやエレピ,コンガ,甘い音色のギターに彩られるフリー・ソウル風のナンバー。バックの音は乾いてるのに,スモーキーの声はからみつくような粘っこさ。ライトなフュージョン感覚に包まれた名曲だ。クラヴィネットが活躍する「Coincidentally」も現在も好まれるようなスタイリッシュなフロア向けの曲。
 '50年代の末から活躍している彼がニュー・ソウルの音づくりを採り入れた意欲作。