Babadu! / Babadu (’79)

howdymoon2010-11-09


 先日紹介したRay Gooliakがマウイ島なら、今日のBabaduはオアフ島。またまたハワイアンA.O.Rの超レア盤のCD化。日本が誇る良質リイシュー・レーベルであるCelesteからのリリースです。プロデューサーのカーク・トンプソン(元カラパナ)が、「マッキー・フェアリーとスティーヴィー・ワンダーの融合」と述べたとか・・・。
 たしかに、「I’ve Got My Roots」やソウルフルな「I Love Music」あたりの曲調や歌い方は’70年代後半のスティーヴィーの影響が大きいことを伺える。でも、スティーヴィーのような粘り気のある声じゃないところが、このアルバムの音楽の透明度のようなものを高めているような気がしますね。特に「I Love Music」の方はスティーヴィーに逆カバーしてもらうと、もっと魅力が増すようなニューソウル。「Forget Leaving」も ブルーアイド・ソウル寄りのA.O.R.になっていて、最近の好みにピッタリきてます。
 レムリアの「All I’ve Got To Give」をカバーしてるけど、そもそもレムリアは持っているはずなのに、あんまり聴いた記憶がない。この手の心地よい音はアルバム単位のかたまりで聴いちゃうと、1曲1曲の印象が埋没しちゃいますからね。で、iTunesの中から聴いてみたら、これはBabaduのバージョンの方に軍配が上がる。やっぱり、このBabaduの声質がカギ。湿度も粘度も低いので、乾いた風のようなんだな。同じくBilly Kauiのカバーである「Words To A Song」は、音楽好きの心をくすぐるフックがたくさん取り付けられた延縄(はえなわ)漁法のような曲。これに引っかかって釣り上げられた同好の士は多いはず。
 一番のお気に入りはフルートやキーボードがカラパナを思わせるメロウな「We’re Not To Blame」。ピアノの伴奏が素晴らしいもので、ピアノ&アコギだけのバージョンを聴いてみたい名曲です。

BABADU!

BABADU!