Sunflower / Beach Boys ('70)

howdymoon2011-01-18


 彼らにしては珍しくダークな力強さを感じさせる「Slip On Through」で幕が開けるこのアルバム。一転してどこまでも高く登るかのような明るい「This Whole World」、そして 「Add Some Music To Your Day」につながるA面の流れが素晴らしい。特に「Add Some…」はアコギのイントロ、リレー形式でリード・ヴォーカルを交代していく構成、バースのカールのソロ(♪music When you’re alone Is like a companion For your lonely soul)、そのすぐ後の複雑なコーラス、そして何より音楽の素晴らしさを歌った歌詞。もう完全無敵な完璧なポップス。20世紀の世界音楽遺産に指定したいほどだ。こういう音楽に出会えるから、音楽好きは止められないのです。
 ブルース・ジョンストンの快作「Deidre」は、ちょっと懐かしいオールディーズ・スタイルのソフトロック。同じくブルース作の「Tears in The Morning」も、ポップス好きを引っかけるフックが満載のワルツ。このようなポップスの名曲に挟まれていると、スリリングなロック・ナンバーの「It’s About Time」もアクセントとして悪くありません。
 包み込まれるようなふわふわとした音像のおかげで、儚げな印象を与える「All I Wanna Do」、デニス作の名曲「Forever」、美しいコーラスの「Our Sweet Love」、小鳥のことを歌った優しい「At My Window」と、B面の流れもとてもよい。
 ブライアンだけでなく、ブルース・ジョンストンやデニス、カールらの力が結集された名盤です。

Sunflower / Surf's Up

Sunflower / Surf's Up