Looking Over My Shoulder / Chris Rainbow('78)

howdymoon2011-03-04


クリス・レインボウの2nd。
一人ビーチ・ボーイズと言われているらしいけど、あまりそんな印象はない。


確かにその名も「Dear Brian」は、
コーラスや突然曲調が変わる複雑な展開などの点で、
ブライアン・ウィルソンへの愛があふれている
トリビュート・ソングであるが、
他の曲は、ビーチ・ボーイズというよりも、
一人10CCだったり、一人トッド・ラングレンだったり。
あ、トッドはもともと一人か・・。


そのトッド・ラングレンが『Faithful』の中で
「Good Vibration」を完コピして、そのパラノイアぶりを見せていたけど、
このクリス・レインボウも一人多重録音を重ねる完璧主義者のようだ。
でも、濃密な音の塊というか、音の壁に囲まれているような閉塞感を
若干感じてしまうのも正直なところ。
「ハハー、畏れ入りました」という感じなのだ・・。
だから、この人の場合、アルバム一枚を通して聴くよりも、
シャッフル・プレイ向きの気がする。


曲そのものはとても完成度が高い。
「Give Me What I Cry For」トッド・ラングレン好きは
間違いなく気に入るはずの、ポップな曲。
軽やかなリズムアレンジが心躍らせてくれる
三拍子の「Show Us The Sun」
パイロットやスタックリッジを思わせるような
典型的なブリティッシュ・ポップの
「Give Me Just A Little Beat Of Your Heart」
「Solid State Brain」「Living In The World Today」など、
どれも隙のないいい曲ばかり。

いい曲だからこそ、もっとアレンジが
バラエティに富んでいることを望んでしまうのは、贅沢すぎるでしょうか?


一番のお気に入りはゆったりとした三拍子のバラード「Bluebird」
ポール・マッカートニーに同名違曲があったけど、
この曲はブリティッシュ・ポップの源流でもあるポールの影響も感じさせる。

ルッキング・オーヴァー・マイ・ショルダー(紙ジャケット仕様)

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