ティン・パン・アレイ / 毛皮のマリーズ ('11)

howdymoon2011-03-17


普段はiPodのシャッフル・プレイで
音楽を聴いてます。
ですから、Naomi Lewisの次に
山下達郎が流れてきたり、
ビーチボーイズの次がトニー・リヴァースという夢のようなメドレーが聴けたり、
とシャッフル・プレイならではの醍醐味を味わっています。


ところが、この毛皮のマリーズのアルバムは
シャッフルで聴くなんてもったいないと思えるものでした。
ここにある11曲がバラエティに富んでいるだけでなく、
その1曲1曲のクオリティが高いので、
個々ではなく、塊として聴きたくなるのです。
その曲の成り立ちなど、詳しくは
志摩遼平自身による全曲解説を読んでもらうことにして。


ギターの轟音の中からウィスパリング・ヴォイスが聴かれる「序曲(冬の朝)」
「ペニー・レイン」風のピッコロ・トランペットが鳴り響く「恋するロデオ」
パッヘルベルのカノン風の星の王子さま(バイオリンのための)」
フィル・スペクターをおちょくったような「C列車で行こう」
まんまラスカルズの「Groovin'」の隠しトラック「彼女を起こす10の方法」など、
1曲1曲の粒が立っていて、それぞれの味が濃いのに、
やっぱりまとまって聴きたくなるんですよね。


どの曲もいいのですが、中でもお気に入りは3曲。
アル・グリーンの「Let’s Stay Together」を
下敷きにしたと思われる「おおハレルヤ」
それに高田漣のペダル・スティールが鳴り響く「おっさん on the corner」
志摩自身が「歌詞もアレンジも演奏も、一部の隙もなく美しい。
私のすべてをも超えた、わずか3分半のポップス!」と自賛する「愛のテーマ」


いや、ホントに名作ですわ、コレ。
ジャケットのアートワークも素晴らしいし。

ティン・パン・アレイ

ティン・パン・アレイ