くるり鶏びゅ〜と / Various Artists ('09)
調子に乗って、今日もトリビュート・アルバム。
もともと、ハンバートハンバートが参加していたから、いつかは聴いてみたかった1枚。
娘がツタヤから借りてきたCDの中から発見。娘よ、でかした。
実はこのくるりのオリジナルをほとんど聴いたことがないのです。となると、トリビュート盤の聴き方としては、あまり面白くないもの。それでもまあ、とりあえず一通り聴いてみたのですが、途中からいても立ってもいられず、オリジナルをYou Tubeでいろいろ探して聴いてみたのです。
そしたら、原曲のメロディの良さ、フロントマンの歌の懐の深さ、ベーシストの弾むプレイ、どれをとっても良質。くるりは只者じゃないと気づいたのです。
カバー曲って、原曲へのリスペクトが十分に感じられる素直なアレンジもいいし、換骨奪胎して、原曲がわからないくらいに大胆にアレンジしたものもまた面白いのですが、今回はくるりのオリジナルを聴き込んでいないので、各アーティストの料理法というよりは、素材の良さ(くるりの原曲)を観点に選んじゃいました。もっとくるりを聴き込むと、評価も変わってくるかもしれないですね。
特に気に入ったのは次の8曲(数字は曲順)
1. 赤い電車 / anoymass
3. Baby I Love you / 矢野顕子
4. ばらの花 / 奥田民生
5. 言葉はさんかく こころは四角 / 木村カエラ
7. 虹 / ハンバートハンバート
8. ワンダーフォーゲル / 高野寛
9. ワールズエンド・スーパーノヴァ / Fantastic Plastic Machine
14. 宿はなし / 二階堂和美
1はかつてkobbanovaさんのセレクトに入っていたエレクトロニカな原曲も好きでしたが、このカバーも、いい意味でゆるゆる。
3は矢野顕子。他人の曲をカバーするって、自分から原曲に近づいていくタイプと、原曲を自分側に引き寄せちゃうタイプがあると思うけど、矢野顕子はいつも後者。力業で自分のオリジナルのようにしちゃいますね。
4は素材(原曲)の良さをストレートに再現している感じ。
5は映画「天然コケッコー」のラストシーン流れてきた曲でしたよね。木村カエラの料理方法はオーソドックスだけど、この曲はその方がいいかも。それくらい、オリジナルの完成度が高いから、変な味付けはしない方がいいという見本。
7はさすがという仕上がり。トラッド風味の三拍子。三拍子の曲をやらせたら、ハンバートハンバートにかなうものはないかと思うくらい、はまっている。歌詞の中に「六地蔵」という単語も出ているし。ハンバートのオリジナルと言われても信じちゃうくらいに素晴らしい出来。
8はいかにも高野寛らしい角が取れたアレンジ。原曲のドライヴ感がやや薄れてしまうのは仕方ないか・・。それを差し引いても、このカバーはいい仕上がり。
9はカバーというよりもヴォーカルを生かしたリミックス。もともとダンサブルな原曲を、ミニマルなリズムに乗せたアッパーなハウス・サウンドに変化させている。
14はこのアルバムの一番の収穫。このアルバムを聴かなかったら、おそらく出会わなかったであろうアーティストを発見できるのが、こういう編集盤の醍醐味。URCフォークのような曲調、儚く、柔らかく、しっとりとした歌声。この二階堂和美の曲をもっと聴きたくなります。
- アーティスト: オムニバス
- 出版社/メーカー: バッドニュース音楽出版
- 発売日: 2009/10/21
- メディア: CD
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