CD / □ロロ ('11)
口ロロの7枚目。前作の『everyday is a symphony』を気に入ってたので、遅ればせながら購入。
「言葉」と「文字」をテーマにしたアルバムで、ジャケットのアートワークや歌詞カードも含めて、そのコンセプトが貫かれている。
この「あたらしいたましい」 feat. 金田朋子のPVを見ると、アルバムの片鱗がわかるかも?
ふだんから音楽はイヤフォンで聴いているから、1曲目の「はじまり」から、もう楽しめる。イヤフォンの右と左を逆にはめていないか確かめたりして。それから歌詞カードとともに楽しめるのが、このアルバムの特徴。オンライン全盛の今、『CD』というタイトルはそこから来ているのか? と深読みしてもみる。
続く「1234」はポップなバックトラックの上に巧みに言葉が乗せられていて、面白い。しかもストーリーもちゃんとできているし。
お茶の間ではテレ朝のシルシルミシルに出ている変なオジサンとしか認識されていない(?)いとうせいこうが作詞した「ヒップホップの経年変化」。ライムの中に”チャックD"とか“ヌスラット・ファテ・アリ・ハーン”などの名前が登場して、さすがは日本のオールド・スクールの牽引者。「ヒップホップ史上 前人未到の最先端 老いて盛んな一方 枯れた予感も奔放に描かん」というライムには、彼の気概を感じますねぇ。PVもかっこいいし。
こんな曲の次に「恋はリズムに乗って」が続いているのが面白いところ。まるで流線形の1曲みたいなシティ・ポップで、シャレで狙っているのか、マジなのか、けむに巻かれてしまう。
一番気に入ったのは「スカイツリー」。サンプリングした猫の鳴き声や時報の音、レジの音など日常の音を重ねていって、いつの間にか音楽に仕上がっていく構成が見事。「iuai」もまったりとしたメロウな雰囲気の曲。歌詞カードを見ながら聴くと、面白さも倍増します。
- アーティスト: □□□
- 出版社/メーカー: commmons
- 発売日: 2011/02/23
- メディア: CD
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