在日FUNK / 在日FUNK ('10)

 今や俳優としても主演映画(「婚前特急」)が公開されるほどになったハマケンこと、浜野謙太が率いる7人組ファンク・バンド。浜野謙太はSAKEROCKトロンボーン・プレイヤーですが、ここではヴォーカルに専念。“百聞は一見にしかず” この人たちの音楽については、まずはこの「きず」のPVを見てください。音そのものだけでなくて、衣装やハマケンのステップも含めての在日FUNKを楽しんでから。

決してハンサムな部類には入らないと思われるハマケンが、このPVで見ると、カッコいいことこの上ないんですよね。映画「婚前特急」でも、吉高由里子が選ぶのは並み居るハンサムを押しのけて、ハマケンですし。

「在日」+「FUNK」というネーミングについては、このインタビュー記事を見ると、彼らの立ち位置がよくわかります。

―釈迦に説法、在日ファンクにファンクで恐縮です(笑)。ファンクは「すばらしい」「土臭さ」「悪臭のする」などさまざまな意味を持つ言葉ですが、ハマケンさんの思う「ファンク」とは何でしょうか?
浜野:「ゲロッパ」です。ファンクはアフリカン・アメリカンたちのレベル・ミュージックと言われています。でもそんなことを知らずにジェイムス・ブラウンの“セックス・マシーン”を聴いた日本人(の認識)は「ゲロッパの人」になるわけです。何だか知らないけどすごく楽しいことをやっている“ゲロッパの人”。すごいことだと思います。ジェイムス・ブラウンが「立ち上がろうぜ」という言葉を出す以前に体内にウズウズ渦巻いてるなんだかわからない魂のリズムと、何も事情を知らない日本人の妄想がじつは繋がっているんです。「ゲロッパ」は言葉の意味以前に「ゲロッパ」なんす。そんな奇跡が産まれるものだと思います。

だから、能登半島の先端で構想が思いついたという「最北端」のような曲もやっちゃうし、ダンボール肉まん」なんて、


混じりっ気のない 奴らにはわかるまい 
ダンボールと肉とまん 
その超越的な出会い


深い意味があるようで、全く何も考えていないような凄すぎる歌詞。
「罪悪感」「神頼みFUNK」も明快なグルーヴとばかばかしい歌詞の融合で頭が空になるのです。


なんだかメジャー感が漂うアッパーな「京都」とハマケン自身が"キラー・チューン"と言ってしまっている「最北端」のライヴ・バージョンも入ってます。

マキシ・シングル3枚も出していて、これがアルバムとダブりなし。これも欲しいんだけどなぁ。

在日ファンク

在日ファンク