筒美京平トリビュート the popular music / Various Artists ('07)
娘を迎えに行った待ち時間に入ったブックオフで見つけたもの。500円。
つんく、山崎まさよし、ゴズペラーズと、やや苦手としているアーティストが並んでいるので躊躇しましたが、CKBの「また逢う日まで」を聴きたくて購入。
先日の阿久悠歌詞集で、筒美京平先生の偉大さを再確認していたばかりですが、やっぱり素晴らしいですね。
やや苦手と思っていた歌手の曲も、意外と聴けちゃうのはメロディの良さのおかげでしょうか。ただし、山崎まさよしの「さらば恋人」は、大胆にもモータウン調のアッパーなリズム・パターンにアレンジ。恋人から離れていくセンチメンタルな歌詞が、このアレンジのおかげで台無しになってしまったように思いますが・・・。
意外な収穫は、つんくの「セクシャルバイオレットNo.1」。シャッフルで音楽を聴いていて、Bench Connectionの『Around the House in 80 Days』の曲の次に、このイントロが流れてきた時は、その落差に笑っちゃうくらいの感動を覚えたのです。Bench Connectionの繊細なアコースティックな歌の次に、あのシンセ・ドラムですから。つんくは歌もアレンジもほとんど完コピのような歌い方で、原曲の持ついかがわしさ、下世話さをちゃんと再現しているのが見事。まるでカラオケで歌っているかのような自由さ。「だってこの曲好きなんだもん」って感じの割り切り方。アーティストではなく、プロデューサーとしてのつんくのいい仕事ぶりです。
Bonnie Pinkの「人魚」はNokkoのベチャっとした歌い方が苦手でしたから、こちらの方が曲の良さをちゃんと聴かせてくれてます。
ET-KINGの「お世話になりました」はオリジナルを現代風に換骨奪胎して、これはこれで見事。苦手なはずのゴスペラーズの「夏のクラクション」も、徳永英明の「たそがれマイ・ラヴ」もちゃんと聞けてしまうのが曲の良さなんでしょうね。
ただし、草野マサムネの「木綿のハンカチーフ」は期待が大きかった分だけ、その普通すぎるアレンジにややガッカリといったところです。
目玉の「また逢う日まで」は鉄板の仕上がり。CKBがやったらこうなるという予想通りの仕上がりともいえます。贅沢なもので、それはそれで物足りない気もするのです。例えば、真ん中あたりにOtis Reddingの「The Dock Of The Bay」の一節を挿入するという遊び心が欲しい気が。そんな大胆なことしても、筒美先生だったら笑って許してくれそうな気もします。
「また逢う日まで」
「The Dock Of The Bay」
1.さらば恋人/山崎まさよし (堺 正章・71年)
2.ブルー・ライト・ヨコハマ/柴咲コウ (いしだあゆみ・68年)
3.たそがれマイ・ラブ/徳永英明 (大橋純子・78年)
4.セクシャルバイオレットNo.1/つんく♂ (桑名正博・79年)
5.人魚/BONNIE PINK (NOKKO・94年)
6.お世話になりました/ET-KING (井上順之(井上 順改め)・71年)
7.飛んでイスタンブール/秋川雅史 (庄野真代・78年)
8.魅せられて/島谷ひとみ (ジュディ・オング・79年)
9.夏のクラクション/ゴスペラーズ (稲垣潤一・83年)
10.真夏の出来事/melody.(平山みき・71年)
11.木綿のハンカチーフ/草野マサムネ (太田裕美・75年)
12.また逢う日まで/クレイジーケンバンド (尾崎紀世彦・71年)
the popular music ~筒美京平トリビュート~
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