Lovin' You / Roman Andren ('11)
日本のミュージシャンの中で一番好きなのは、もちろんPIZZICATO FIVE。
その次がキリンジ、その次はたくさんありすぎて、ちょっと決められません。
そのPIZZICATO FIVEの数多くある曲の中でも一番好きなのは、「ハッピー・サッド」なのです。「大都会交響楽」も「メッセージ・ソング」も「テーブルにひとびんのワイン」も「ストロベリー・スレイライド」も「これは恋ではない」も捨てがたいのですが、やっぱり「ハッピー・サッド」。ちょっとミーハーっぽくて、恥ずかしいのですが・・。
このロマン・アンドレンのアルバムで、「ハッピー・サッド」をカバーしていると聞いて、すぐに購入しちゃいました。「ハッピー・サッド」のカバーといえば、その昔、Kinki KidsのTV番組でMy Little Loverのakkoが小林武史と小西康陽を従えて披露したものを覚えてますが、ちゃんとした音源としてカバーされたのは、これが初めてかもしれません。
その他の曲のラインナップはこんな感じ。
01. Happy Sad
02. Crickets Sing For Anamaria
03. Lovin' You
04. My Cherie Amour
05. Let's Stay Together
06. Wave
07. Hymn A L'amour
08. Rock With You
09. I Won't Last A Day Without You
10. I Want You
11. Up, Up And Away
12. Den Jag Alskar Heter Orjan
13. My Foolish Heart
14. Moon River
日本のタワーレコードのスタッフが選曲したせいか、カバーした曲のチョイスはちょっと普通すぎるところがあって、もうひとひねり欲しいところでしたが、まあ、贅沢は言いません。
ロマン・アンドレンの枕詞は「北欧のデオダート」ですが、このアルバムも『Juanita』や『Color Green』のように、ブラジリアン・フレイヴァーのメロウ・ムードが漂う曲ばかり。「Happy Sad」の方もまぶしいくらいライトなジャズ・サンバに変身です。そしてマルコス・ヴァーリの「Crickets Sing For Anamaria」になだれ込みます。このデュエットもなかなかいいのです。
ラテン・ジャズに味付けされた「My Cherie Amour」、マーヴィン・ゲイのオリジナルに漂うエロスを八分目くらいにしたクールな「I Want You」など、なかなかいいのです。
特に気に入ったのは3曲。一番普通すぎる選曲のミニー・リパートン作の「Lovin' You」。この曲はたくさんのアーティストにカバーされていますが、どれも面白くない仕上がりばかり。でも、ロマン本人が歌うこのバージョンは、サラッとしていて意外にいいのです。
それにアル・グリーン作の「Let’s Stay Together」。原曲のイメージが強すぎますから、料理するのは難しかったでしょうが、この乾いたジャジーなアレンジ、秀逸です。
それに大ネタの「Rock With You」。マイケル・ジャクソンの原曲の粘るようなグルーヴを、このカバーは高速なクラブジャズに料理。これはフロアで映えるでしょうね。
アルバムにはロマン・アンドレン自身の1曲ごとの解説があって、読みながら聴くと面白さもひとしお。
- アーティスト: ロマン・アンドレン
- 出版社/メーカー: Pヴァイン・レコード
- 発売日: 2011/06/02
- メディア: CD
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