3月に見た映画その2

 後に「幸せのレシピ」や「ヒマラヤ杉に降る雪」をつくるスコット・ヒックス監督作品。

オーストラリア出身の現役ピアニスト、デヴィッド・ヘルフゴットの半生を映画化したもの。本作で聴かれる演奏の大半はヘルフゴッド本人によるものだ。
デヴィッドは、幼いころからの父親の過剰な愛情と厳格なレッスンのもと、ピアノに打ち込んでいた。しかし父親の過剰な愛情に耐え切れず、デヴィッドはついに勘当同然のかたちで家を出てしまう。イギリスの音楽学校に留学したデヴィッドは、コンクールでラフマニノフの「ピアノ協奏曲第3番」に挑戦することを決意する。この曲は難関中の難関。と同時に父親との思い出の曲でもあった。日夜練習に励んだ結果、デヴィッドは決勝で見事に弾きこなす。しかし、拍手をあびながら倒れ、以後精神に異常をきたしてしまう・・・。(斎藤リエさんの紹介を引用)

ラフマニノフのピアノ協奏曲第3番という曲が鍵になってますが、彼自身もこの曲を書く以前に精神を病んでいたようですね。ラフマニノフが有名な協奏曲第2番やこの第3番で好評を博して輝き始めるように、ヘルフゴットも占星術師のギリアンと出会って輝きを取り戻していきます。途中まで重苦しい話が続きますが、青空をバックに飛び跳ねている主人公の姿にホッとします。


精神を病んでいる役を演じるとアカデミー賞を取りやすいと言われていますが、ジェフリー・ラッシュも主演男優賞を獲得しています。

★★★★

シャイン [DVD]

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久々に見るコッポラ映画。

正義感の強い弁護士志望のルーディ・ベイラーは、ロースクールを卒業後、なんとか就職する。しかし、そこは、悪徳弁護士のブルーザー・ストーンの事務所。ベイラーはロースクールの実習時代に相談を受けた白血病の青年の母親の相談をそのまま引き受けることになる。その青年は、骨髄移植の治療費支払いを保険会社から拒否され、余命幾ばくもない状態。しかし、保険会社は、優秀な弁護団を雇い、判事も訴訟に乗り気でない…。ジョン・グリシャム原作の医療訴訟法廷映画。(みんなのシネマレビューより)

弁護士が主人公となる法廷モノの映画はたくさんあるけど、「こんなにうまくいっちゃっていいの?」と思ってしまった。いくら相棒(ダニー・デヴィート)が悪知恵はたかせて助けているとはいえ、判事がいい加減なヤツから人権派の判事に交替しちゃうし、保険会社に都合の悪い証言録が見つかるし。しかも、主人公のマット・デイモンは女性をDV夫から守るためとはいえ、途中で人を殺しちゃってるし(一応、とどめは女性がさしたようですが)・・・。


脇役陣が微妙に豪華。
いかにも悪徳弁護士と言った風情のストーン役はミッキー・ローク。保険会社側の大物弁護士役はジョン・ヴォイト。保険会社のCEO役はロイ・シャイダー人権派の判事役はダニー・グローバー

ミッキー・ロークが登場するシーンは少ないのだけど、ギラギラした外見もあって、妙に印象に残ります。


星は★★★というところか・・・。

レインメーカー [DVD]

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1991年、ストリート育ちの青年ラウは香港マフィアに入ってすぐ、その優秀さに目を付けたボスによって警察学校に送り込まれる。一方、警察学校で優秀な成績を収めていた青年ヤンは突然退学となる。彼は、警視に能力を見込まれマフィアへの潜入を命じられたのだった。やがて2人の青年は、偽りの身分の中で着実に実績を積みそれぞれの組織で重要なポストを与えられていく。そしておよそ10年後、警察はヤンから大きな麻薬取引の情報を受け取る。しかし警察の包囲網はラウによってマフィア側に筒抜けとなっていた。検挙も取引も失敗に終わったことで、警察、マフィア双方がスパイの存在に気づいてしまうのだった…。(all cinemaより)

リメイクした方の「ディパーテッド」の方を先に見てしまいましたが、オリジナルのこちらの方がぎらついていていいかな。ただし、100分という尺の中に無理矢理詰め込んだような印象もあって、下手すると置いてきぼりをくらいそうになりますが。
ディパーテッド」やTBSのドラマ「ダブル・フェイス」と比べると、刑事(ホントはヤクザ)役は香川照之が一番。エリート刑事なのですが、どう隠していても腐臭がスーツからにじみ出てそうな演技。さすがです。ヤクザ(ホントは警察官)役はトニー・レオンが一番。ホントにやさぐれている雰囲気が出てます。西島秀俊ではハンサムすぎてダメだし、ディカプリオではヤクザに見えないし。ヤクザのボス役はジャック・ニコルソンがダントツですね。


この本編はエピソード2にあたるらしいですが、未見のエピソード1や3も見てみたいもの。


★★★★☆

インファナル・アフェア [DVD]

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同じ森田監督の「それから」の映像は好きでしたが、出世作のこちらは見たことなかったのです。
名作の誉れ高い映画ですが、どうも自分には相性が合わなかったよう。
意味があるように見せかけているだけの思わせぶりな映画だとしか思えません。
ただ、リアルタイムの19歳の頃に見ていたら、だまされてしまって傑作と思ったかもしれません。そういう意味では時代が持つ空気をまとった映画で、その空気に守られていないと、とたんに鮮度が落ちてしまう流行映画。


★(ただし、30年前だったら★★★だったかも?)

家族ゲーム [DVD]

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