Kathy McCord / Kathy McCord (1970)

howdymoon2005-11-06



3曲目までのピンと張りつめた緊張感はなんなんだろう。この3曲だけでもこのアルバムの存在価値は十分にあるのではないか。


まずは1曲目の「Rainbow Ride」。陰鬱なイントロとはうってかわって,中盤から顔を見せる同時期のチェイスのようなブラス・アレンジと歪んだトーンのギター,負けじとうごめくベース。混沌の後に再び静の瞬間が訪れる。


続く2曲目は「I'm Leaving Home」。歌詞は改題されているがあのビートルズの名曲のカバーだ。既に完成しているオリジナル曲の歌詞を一人称に変えることによって,少女とも大人ともつかない17歳の時期の独白として,歌に息吹を吹き込んでいる。原曲よりも素晴らしいと思うのは私だけだろうか。


3曲目は「Candle Waxing」オハイオ・ノックス,ファビュラス・ラインストーンズ,オーリアンズらを支えたメンバーらによるアンサンブルと彼女の声が一体化している名曲だ。この3曲目まで聴けば,このアルバムの素晴らしさの8割方は感じ取ってもらえるはず。