Eau De Vie / Delegation (1979)

howdymoon2005-11-10



遠い異国の地からアメリカのソウル・ミュージックへの憧れという点で共感するのか,山下達郎が「心の友」と表現していたken Gold。以前,Mickey Denneとのコンビで『Denne & Gold』というアルバムも出している。そんな彼らが詩・曲・アレンジ・プロデュースと全面的にバックアップしたのが,このデレゲーションだ。


オープニングは軽快なギターのカッティングが曲を引っ張る「Heartache No.9」。'79年という時期もあって,CHICの影響が強く感じられるダンス・ナンバーだ。「Darlin' (I Think About You)」は,コーラスも含めてまんまChicサウンド。そのギターはゴンザレス〜ハミングバードを渡り歩いたロバート・アーワイ。転がるようなローズは元アフィニティのリントン・ナイフと,脇は実力者が固めている。


他にもソウル好きの心をくすぐるような佳曲がずらり。ジョニー・ブリストルの曲かと思うような端正なアップ「One More Step To Take」。きらびやかなアレンジがまぶしいミディアム「Blue Girl」,一瞬「Have You Seen Her」かと思うようなシカゴ風のバラード「Welcome To My World」,ごていねいにもファルセットで歌っているからなおさらだ。
 とまあ,ろう細工の食品サンプルのように,アメリカ黒人音楽をていねいになぞって,本物ソックリのブラック・ミュージックをつくりあげている。言い忘れた・・イギリスのグループです。