What Color Is Love / Terry Callier (1973)

howdymoon2005-11-14



素晴らしいジャケット。女性が登場するジャケットは,それこそ数限りなくあるが,これほど美しいジャケットはそう多くはないハズ。しいて挙げれば,Leon Wareの『Musical Massage』くらいか・・。『Musical....』は,ジャケットの雰囲気同様に男女の性愛をテーマにしたモノであったが,このジャケットはヌードでありながらセックスを感じさせない女性。


中味の方は,以前紹介したJon LucienやEugene McDanielsの音楽との類似性を感じさせる。フォーク,ロック,ソウル,ジャズといったピースが,まるで万華鏡のように形を変えながら組合わさって,彼の音楽を形作っている。前半は内省的な歌が続くが,「You Goin' Miss Your Candyman」だけは毛色が違う。熱いヴォーカル,それを煽るコンガとホーン,同じフレーズをループするベースライン,実にグルーヴィでかっこいい。その熱を冷ますかのような「Just As Long As We're In Love」バカラックが書いた映画音楽のような深みがある曲調。「ん? B.J.Thomas?」ってな感じの「I'd Rather Be With You」は,このアルバムで唯一の和み系のラブ・ソング。最後はラウンジな「You Don't Care」。前半の張りつめた雰囲気はなんだったの?」といいたくなるような力の抜け方。ともすれば禁欲的すぎる彼の音楽の原型に,やわらかい装飾を加えてくれているのはCharles Stepney。いい仕事してます。