The Man / Leroy Hutson (1974)

howdymoon2005-11-25



結論から先に言う。これはイマイチの作品だ。彼はソングライター,プロデューサー,パフォーマー・・・といくつかの顔を持っているが,彼の一番の魅力はそのソング・ライティングの能力。ところが,今回の作品にはそのきらめきが今ひとつ感じられないのだ。
 

かの淀川長治氏はどんな映画にでも良いところは必ずあると言って,決してけなさなかった。「Could Be This Love」は恋が始まる瞬間の躍動感を表すハッピーな曲だし,「Ella Weez」だって,キャッチーなサビとストリングスが印象に残るけっこういい曲だ。はじけきらない「The Ghetto '74」も,ダニーのバージョンと比べてはかわいそうな気もしてきた。でも,でも・・最後の「Dudley Do Right」なんて,なんでこんな作品を入れちゃったの? ってな感じの凡庸なノヴェルティ・ソング。最後にこんな曲を入れちゃったのがダメ押しだ。
 
 以前『HUTSON』のレビューで「シーズンが終わったら,いつの間にか2割8分,20本を打っていた6番バッターみたいなポジション」と評したが,そんな6番バッターにもスランプの年はあるもの。熱心なファンならば,それでも応援はやめないでしょう? 次のアルバムを聴いてみます。