Why Can't We Be Friends / War

howdymoon2006-01-17



「○○は白人に媚びている。あんなのは本物のソウルじゃない」だとか,「△△はロックの精神を失った。堕落している」とかって論調の音楽評論,昔はよく見かけたモノです。


食べてない人に目の前の料理の味を表現するのが難しいように,まだ聴いていない人に音楽を紹介するのは至難の技。だからプロ,アマを問わず,音楽を語る人たちは,やれ「○○○風のグループ」だとか,「□□□□□調の曲」だとか,(狭い世界だけれども)共通言語でもって表現しようとするもの。そんな時,便利なのが”ロック”とか”ソウル”といった記号。人はとかく,音楽をジャンル分けしたくなるんだけど,このグループの音楽を聴いていると,ジャンル分けなんてナンセンスであることを思い知らされる。


あえて書くけど・・・・WARの音楽はソウルであり,ファンクであり,ラテンであり,レゲエもあり,ブルーズであり,○○○であり・・・・・・。ようするに一つのカテゴリーに入れてしまうのはとても難しいということ。「Low Rider」はうさんくさいファンクだし,「Don't Let No One Get You Down」は軽いラテン,「Smile Happy」はメロディアスなフュージョン「So」はしっとりしたソウル・・・・・いろんな要素が入り混じっていて玉虫色のような音楽だ。


ソ連の飛行士とアメリカの飛行士が宇宙でランデヴーを成功させた時、NASAは米ソ友好を象徴する曲としてこの「Why Can't We Be Friends ?」を宇宙船の中で流したそうだ。
いい話だな・・・なんて思うほど単純じゃないけれど,このストレートな歌詞を軽快なリズムのレゲエで歌う明快さが,ちょっとまぶしい・・。