The Sidewalk / David T. Walker

howdymoon2006-01-21



これまで紹介してきたアルバムのサイドメンとして,何回も登場してきたDavid T.の1st リーダー作。


ライナーによると,当時の彼はモータウンでMartha & The Vandellasの音楽ディレクターを務めていたとのこと。そこでちょっと寄り道をして彼女らのアルバムを聴いてみたのだが,イマイチ目立ったプレイを発見出来ず。ものはついでにJACKSON 5の「I Want You Back」や「I'll Be There」といったヒット曲に参加しているとのことなので,そっちを聴いてみたら,間違いなく彼の特徴的な音色が・・・。今まで気がつかなかったのですが,こうやって聴いてみると,やはりキラリと光るプレイをしているもんです。


さて,このソロ、 Tracy Wright(b),Mel Brown(Dr)とのトリオ編成。カバー曲が5つ。深海を深く潜行するようにクールなバカラック「Look Of Love」,超絶的なテクニックを聴かせてくれるFour Topsの「Standing In The Shadows Of Love」,泣き節のT.Randazzoの「Hurt So Bad」などがあるが,一番素晴らしいのはJimmy Webbの「Up,Up & Away」。歌ものだから前半は歌メロをなぞる部分もあるのだが,後半はもう天衣無縫に弾きまくっている。ギターの奏法的なことはわからないが,スリリングで手に汗握るような演奏。それ以上に楽しめるのは3曲のオリジナル曲。歌メロから解放されていることもあって,彼の特徴的なフレージングがより楽しめる。ベースとのユニゾンがかっこよく決まっている「Direction Wes」。黒く決まっているタイトル曲は彼のプレイをこれでもかと堪能させてくれる。全編インストのみですが,飽きさせずに楽しませてくれる名盤です。