『スクールリーダーのためのコーチング入門』(千々布敏弥 著)。

 
 最近、コーチング関係の本を何冊か読んでいる。その多くは企業の管理職向けのものだったが、それでも教育現場にも応用の出来るものばかりだった。教育関係者向けの書籍も何冊か読んでみたが、これはそのうちの一つ。タイトル通り、校長、教頭、教務主任といった管理職向けの本だが、自分のような研究主任が読んでも十分にためになる。研究主任の職務は、人に仕事を頼むことが多いからである。
 学校は「凸」の字のような鍋ぶた社会と言われる。校長・教頭が鍋ぶたの取っ手だとすると、それ以外の教員はフタの部分、フラットな階層となっているという意味だ。その長所ももちろんある、そりゃあ、もうもちろんあるのだが、その短所も当然ある。管理職以外の同僚との関係において、「上司=部下」という意識がない(うすい)ために、いったん管理職になった時に、部下の使い方が下手なのだ。遠慮しすぎていたり、その逆だったり。前者では馴れ合いの中で学校組織が活性化していかないし、後者では事なかれ主義となったり、増え続ける仕事量の中で疲弊したりする。まさに、いまのうちの職場だ。
 教員は仕事がら、話をするは得意だが、聴くのは苦手な人が多い。「聞く」でも「訊く」でもなく、文字の成り立ち通り、耳と目と心で「聴く」である。管理職の教員はもちろん、学年主任以上の教員は、この本を読んでみることをオススメする。このブログを読んでる人の中に、教育関係者はいないと思うけど・・・・。