戦場にかける橋('57)

 デヴィッド・リーン監督の名作として名高い作品。
 なんだけど、面白く感じたのは後半の15分ほどだけ。残りは長く長く感じてしまい、2時間以内に収められただろって思っちゃいました。そりゃ、まあ、戦争の空しさを描いているといえばそう言えなくもないけど、人物像が浅いよなぁって、けなしたくなるのです。
 たしかにアレック・ギネスが演じる英国将校の誇り高き姿はきちんと描写されていましたが、日本人としては、捕虜収容所所長の早川雪洲の内面ももう少しきちんと掘り下げてくれよと、文句の一つも言いたくなるのです。要はイギリス人はこんなに賢くて器用で誇り高き民族であるということを描きたかったのかなと・・。それに比べて日本人は非効率的だし間抜けだし(「お茶」「お茶」「お茶」のシーンなんてバカにしてるとしか思えない)、アメリカ人は浅はかで臆病者だと言いたいのかなって、ひがみ根性で言いたくなるのです。
 そういえばデヴィッド・リーン監督は遺作となった「インドへの道」でも、アジア人への偏見を感じましたが・・・どうなんでしょう?