Garra / Marcos Valle
天衣無縫なベッドのマルコスと奇妙奇天烈な『Vento Sul』にはさまれたマルコス・ヴァーリの傑作。
一曲目こそバロック調の「Jesus Meu Rei」で穏やかに始まるけど,次の「Com Mais De 30」や「Garra」になると,もうポップなメロディメイカーとしての才能が全開になっている。アルバムのハイライトは,ブラスにハンドクラップが活躍する軽快な「Paz E Futebal」やヴィオラォンのカッティングがグイグイ引っ張る「Wanda Vidal」。こういう曲を聴くと天才としか言いようがない。メロディメイカーとしてもそうだが,アレンジャーとして自由闊達に構成している才能には恐れ入る。