さ・え・らジャポン / Pizzicato Five
ピチカート・ファイヴのラスト・アルバム。
後期の諸作品はとかく評判が悪いのだけど,ノン・スタンダード時代から聴いている自分にとっては,このアルバムもまた愛着のあるもの。
一作ごとにスタイルを変えていく小西康陽が本作で選んだテーマは「外国人から見た日本」。しかも東京オリンピックの頃の日本。ちょうど私が生まれた頃だ。彼のアイデアを具現化するためには,もはや野宮真貴というヴォーカリストだけにとどまらない。デューク・エイセス,雪村いづみといったバタ臭いゲスト陣が'64年頃の雰囲気を再現している。
歌われているのも「一月一日」,「ポケモン言えるかな」,「愛餓お」,「君が代」といったもの。贔屓目かも知れないけど,どの楽曲も水準以上の出来。ベスト・トラックは「12月24日」。野宮真貴が歌ったシングル・バージョンもイイのですが,スクーターズのロニーが歌うアルバム・バージョンの方が上。私にとってのベスト・クリスマス・ソング。