Hear To Tempt You / Temptations
モータウンを離れアトランティックに移ってからの1作目。フィリー・ソウル衰退期とはいいながら、デトロイトの雄、テンプテーションズまでもがフィリー詣をした盤。プロデュースはロニー・ベイカー、ノーマン・ハリス、アール・ヤングが担当。後にグループに加わるロン・タイソンやロニー・ベイカーら、ほとんどの曲はフィリー勢が書いている。
ただ、どこで録ろうとテンプスはテンプスはテンプス、変わらぬ実力を発揮してくれている。バックもフィリーにしては落ち着いたアレンジで、新メンバーのルイス・プライスが歌う「Can We Come And Share In Love」、「Let's Live In Peace」、軽快なフィリー・ダンサーの「Snake In The Grass」など、フィリー詣でが失敗ではなかったことを感じさせてくれる。
ベスト・トラックはモジュレーションズみたいな雰囲気の「Read Between The Lines」。テンプスにはめずらしいタイプの楽曲で、躍動感がストレートに伝わってきます。
この盤、アナログだと1000円以下で買えますから、だまされたと思って聴いてみてください。