Where There's Smoke / Smokey Robinson

　数多いスモーキーのアルバムの中でも、この盤は意味があるのだろう。というのもシーンの中に埋没していて、もはや過去の人物だった彼が（セールス的には）復活したとされる一枚。'79年という右を向いても左を向いてもディスコ・ミュージックばかりだった時期に、こんな大人のためのソウルをリリースし、しかも大ヒットさせたのだから恐れ入る。
　クレジットは全くないのだが、この盤にも西海岸の腕利きのミュージシャンが総動員されているのは明白。スティーヴィー・ワンダーの書き下ろしの「I Love The Nearness Of You」のまろやかさに一票。大ヒットした名曲「Cruisin'」でのDavid T. Walkerのギターにもう一票。
　リアルタイムで聴いていた頃にはなんて年寄り臭い音楽だと思っていたんだけど、今はこのユルユル具合が心地よくなる年齢になってます。健康に気をつけて薄味好みになってきた方にオススメ。