Barry Goldberg / Barry Goldberg (’74)

howdymoon2010-12-11

 この印象的なジャケットは前々からきよさんのサイトやブログで見かけていたモノですが、この度やっと購入。以前、紹介したGerry Goffinの『It Ain’t Exactly Entertainment』をバリー・ゴールドバーグがプロデュースしたことや、多くの曲を共作していることから、この盤を是非買わなくちゃと思ったわけなのです。今回のRHINOのCDは、ボーナスの3曲も入れて、曲順がシャッフルされてしまっていますから、アナログ盤の頃から聴いている人とは少し印象が違うかも知れませんが。
 完全に後追いですから、ディランのニューポートがどうのとか、アル・クーパーがどうのとかは、ひとまずおいときます。全体のを通しての印象は、ボブ・ディランの影響が大きいこと。「She Was Such A Lady」「Stormy Weather Cowboy」「Dreamin’」あたりを聴いていると、ヴォーカルをそのまま入れ替えたとしたら、そのままディランのアルバムとなってもおかしくないでしょうね。ただ、やはりディランのあの声が欲しくなりますが・・・。
 Gerry Goffinのアルバムにも入っていた2人の共作の「It’s Not The Spotlight」は、Gerry Goffinのバージョンの方に軍配が上がります。同じく、Gerryのアルバムにも入っていたI’ve Got To Use My Imagination」の方はBarryのバージョンが圧勝。バックのサウンドの粘り方のようなものが違います。特にブルージーなギターの音色。グラディス・ナイトのバージョンよりも上ですね。
 他にも、ダウンホームな「Dusty Country」のゆったり感や、カントリー色が濃い軽快な「Orange County Bus」、対照的にダルな「Soothe Me」のような曲にも惹かれます。
 一番気に入っているのは、先月の山下達郎のサンソンでも流れていた「Minstrel Show」。このCDでは1曲目に入っています。ボブ・ディランの曲調そのもののような気がしますが、バックと一体となったサウンドがとにかく気持ちいいのです。耳を澄まして聴いてみると、歌詞もまたよさげ。“Minstrel show”とは、白人が黒人風に黒塗りをして歌や踊りを演じたミュージカル風の演芸。ドサ回りのミンストレル・ショー劇団に、昔、母親が歌っていたあの曲を歌ってくれと頼む男。十分に聞き取れたわけではないので、歌詞カードを見てみたいものです。

Barry Goldberg

Barry Goldberg