With All Due Respect / Incarnations ('10)

howdymoon2010-12-27

 2010年も最後の猟盤。今年は後半になってブログ熱が復活したので、後半から一気に購入枚数が増えました。今年リリースされた新譜、今年リイシューされた旧譜、今年入手した旧譜と、ごちゃまぜでたぶん150枚くらいでしょうか。

 今年リリースされた新譜の中で最も気に入ったのは、インカーネーションズの『With All Due Respect』。A.O.R.好きにも、ネオアコやブルーアイド・ソウル好きにもオススメできる大推薦盤。

 このIncarnationsのプロフィールなどはレコード屋のサイトに任せておきます。Vo.とBassのBart Davenportは他の方からいただいたコンピ盤で聴いて注目していた人。ソロ作も注文したので、年明けには届くことでしょう。

 1曲目の「Make You Mine」はシングルになるのも納得のポップなメロディ。「パラッパラッパッパー」コーラスも、その手の音が好きな方にはたまらないでしょう。波の音から始まり、アコースティック・ギターが刻むリズムとオルガンが加わり、コンガが投入され、エレアコが重なるというイントロから、魂わしづかみです。ブリッジやコーダの部分の「Someday, Somewhere」のコーラスも素晴らしすぎ。

 2曲目の「I Didn’t Know」は、ギターの音色やメロディ、ゆったりしたリズムがGeorgie Fameの「Sitting In The Park」(オリジナルはシカゴ・ソウルの大御所Billy Stewart)にソックリです。
 3曲目は下世話なくらいにポップな「Meet Me At Midnight」。
 4曲目の「Let Love Find You」は揺れるエレピと角のあるベースの響きが渋いニュー・ソウル風の曲。間奏で流れるシンセとエレピの絡み合いはコズミックで、息をのみます。
 5曲目の「Up From The Ground」は’80年代のイギリスのニュー・ウェーブ勢の音を思わせる怪しさとチープさが、かえって新鮮な印象を与えてくれます。間奏でエッジの効いたハードな音色のギターが入るところもおもしろいものです。
 6曲目の「Hindi Ko Alam」は、録音したスペイン? いや北アフリカあたりの言葉かな? ググってみたらタガログ語だそうで、“I don’t Know”という意味らしいですね。あまり深く考えずに取り入れてそうなフットワークと頭の軽さは嫌いじゃありません。
 7曲目は「The Selfish Guy」。これはネオアコですね。その背後にはバカラックの「Are You There(With Another Guy)」の雰囲気も見え隠れします。間奏にはトワンギン・ギターも登場します。
 8曲目もイントロに波の音と鳥のさえずりのSEが登場。このアルバムの中で一番のお気に入りの「There Must Be Love」です。ツイン・ヴォーカルにはもともと弱いのですが、これはもう最高のメロディ。
 ラストはインスト。こういうのがバレアリック? っていうのかな?

日本版は「Make You Mine」のリミックス2曲をボーナス・トラックつき。

WITH ALL DUE RESPECT + 2

WITH ALL DUE RESPECT + 2