Sun Songs / Tom Springfield('68)
五月雨なんて甘っちょろいもんじゃないほどの土砂降りの中、3kmほど歩く羽目になった。
普段ドア・トゥ・ドアの生活をしているため、100m以上歩くことさえ稀なのに。傘をさしても効果がないくらい、スボンの裾と上着の右袖はずぶ濡れ。もちろん靴の中も・・・。 そういえば傘をさして歩くなんて久しぶりのような気がする。
というわけで、傘が登場するジャケットが無いかな・・と探してみたらこのアルバムを発見。
ダスティ・スプリングフィールドの兄が'68年にリリースした唯一のアルバム。
妹の方はハスキーで粘りのある声、隠そうとしても出てきてしまうブルーアイド・ソウル・シンガーっぷりが特徴だが、兄貴の方は声も流れている音楽も淡い水彩画のような色調だ。
「Brazilian Love Song」というそのものズバリのボサノヴァ・テイストの曲や、有名な「Tristeza」の粋なアレンジのカバー、「Ugly Woman」(キッド・クレオールの「If You Want To Be Happy」!)のようなラテン・テイストのものが混在し、'68年のイギリスとは思えないような、世の中の風潮とは隔絶したアルバムだ。
「Here,There And Everywhere」の絶品のカバーが一番の出来ですが、どの曲もイギリスならではのユーモア(というか、なんだかインチキくさい感じとも言える)と薄くもやのかかったような質感が楽しめます。
それにしても、このジャケット素敵だなぁ。傘をさしていても幸せそう。
- アーティスト: トム・スプリングフィールド
- 出版社/メーカー: インディペンデントレーベル
- 発売日: 2004/06/06
- メディア: CD
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