Buttercup Bugle / Lori Cullen （'09）

howdymoon2011-05-21

ちょっとぽっちゃり気味の女性の横顔。その風貌そのままのあたたかくて、やわらかくて、ふくよかな音。

このローリー・カレンはカナダの女性シンガー・ソングライター。他のアルバムではジャズを歌っているようなのですが、このアルバムに関して言えば、ソフトロックそのもの。だって、アレンジはフリー・デザインのクリス・デドリックなのですから。それに、音楽の柔らかさを形作っているのは、True North Brass Quintetによるホーンのアンサンブル。

これで、ちょっと興味がわいたでしょう？　さらにもう一歩後押し。

ジュディ・シルの1stの9曲目「Lopin' Along Thru The Cosmos」をカバーしているのです。Judee Sillの原曲はストリングスと2本のアコギが、彼女の真摯な歌声をバックアップしていましたが、Loriのバージョンはまろやかなホーンと、まんまフリー・デザインのクラシカルなコーラスが曲の雰囲気をつくっています。このコーラスが、万華鏡のように一瞬ごとに音の表情を変えるのですから、素敵。

Free Designの2ndに入っていた「I Found Love」のカバーは、原曲の良さを残しつつも、もっとドリーミーなアレンジに変身。アレンジといえば、「Pass The Point」のアレンジが一番素敵かな？

彼女のソングライティングの能力もなかなかのもので、オリジナル曲も柔らかな雰囲気がとてもいいのです。「Box Of Things」や「Clearer Weather」のほんわかした雰囲気は、春〜初夏にかけて、屋外で聴きたくなるような音なのです。他の曲もどれをとってもいいものなので、挙げきれません。四の五の言うのはやめて、肝心の音を聴いてみてください。

ちなみにこのアルバムはココで見つけました。このレコ屋さんのサイトで紹介されている音楽は、どれも素敵です。

「Lopin' Along Thru The Cosmos」