Young Hearts Run Free / Candi Staton

サザン・ソウル界の至宝，キャンディ・ステイトンがディスコ路線に挑戦したワーナー期のアルバム。

コテコテのソウル・ファンには評判が悪いだろうが，今の耳で聞くと内容は決して悪くない。冒頭からガラージュ風でさえある「Run To Me」や「Destiny」の連発で，無理矢理のせちゃおうという作戦。その路線の最大の聴き所は「Young Hearts Run Free」。こんなキャンディは間違っているというカタブツさえも踊らせちゃうような抵抗しがたい魅力が詰まったヤング・ソウルだ。シルヴィアと見まがうようなセクシーな「Summer Time With You」も彼女の新しい一面を見せてくれる。

でも，でも，やっぱりサザン・ソウルの香りを残す「You Bet Your Sweet, Sweet Love」を聴くとホッとしちゃうのは，彼女の歌い方にも無理が無くて自然体だからなんだろうなぁ。