Shine / Joni Mitchell ('07 Hear Music )

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ジョニ・ミッチェルの最後のアルバム。

声だけに限って言えば、当たり前のことだけどフォーク期のような瑞々しさはない。

また、ジャズ期のような先鋭的なアレンジが施されているわけでもない。いたってシンプルな音作りである。

けれども、流れてくる音楽は力強く、圧倒的だ。

 

5年前の引退を撤回してこのアルバムをリリースしたのは、当時のイラク戦争に対する危機感だという。

37年前の「Big Yellow Taxi」を採録したのも、歌詞で取り上げた環境問題が、当時とは比較にならないほど悪化しているからだろう。

彼女が力を振り絞って世に放った歌をしっかりと受け止めておく。


Joni Mitchell - Shine

 

12月23日の猟盤

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またまたブックオフオンラインで購入したもの。4枚で1560円。

  • Bible Belt / Diane Birch ('09 S-Curve)

   今まで持っていたのは輸入盤。

   日本盤のみの2曲のボーナストラックに目がくらんで購入。

   flex lifeは4thアルバムの『黒い秘密』だけ所有済み。

   上から、3rdアルバム、5thアルバム、5thまでのベストアルバム。

   3枚で1,100円という手ごろな値段で購入できた。

Totalmente Demais / Caetano Veloso ('86 Philips)

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歌う世界遺産カエターノ・ヴェローゾの’86年のライブ盤。

この人はホントに数多くのライヴ盤を出していて楽しめる。

これはアコギ一本の弾き語り。カエターノ本人の過去の名曲は勿論、ジョアン・ジルベルトアントニオ・カルロス・ジョビンの名曲を取り上げている。

ギター一本なので、曲そのものの良さ、彼の唄声の素晴らしさがより際立つ演奏になっている。

 

それにしても、カエターノのコンプリートまでの道は、まだまだ遠い。


Caetano Veloso -Totalmente Demais

12月19日の猟盤

ブックオフオンラインで購入したもの。最寄りの店で購入すれば送料なしなので便利。最近はアマゾンのマーケットプレイスよりもこちらで買うことが多くなった。

 

  • Snowbug / High Llamas ('99 V2)

   ハイラマズの5作目。ハイラマズは比較的安値で出回っているので、

   ボチボチ集めていくつもり。

   「'60年代後半~’70年代初頭のビーチ・ボーイズの未発表曲のカバー曲集」

   と言われても信じてしまうような曲ばかり並んでる(←ホメ言葉)。

   彼女の(今のところ)最後のアルバム。

   カエターノはライヴアルバムを多数出しているが、これは'86年リリースのもの。アコギ一本でゆったりと歌っている。

A New York Singer / Marlene Ver Planck ('80 Audiophile)

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久々にCDラックを整頓。もう満杯になってきてピンチ。同タイプのラックが手に入るといいが……。

整頓中に聞いた盤。

タイトル通り、ニュー・ヨークのジャズシンガーの’80年のアルバム。手持ちのCDには’90年代に録音したボーナストラックが複数収められている。

スタンダード曲に混じって、キャロル・キング&ジェリー・ゴフィンの「Go Away, Little Boy」なども収められている。
一番のお気に入りは「Red And Yellow Flowers」。Hi-Fiレコードの松永さんに勧められた曲だ。チャーミングな魅力にやられてしまう。

 You Tube上には動画が無いので、代わりにこれを。


Marlene VerPlanck – Sleigh Ride

マーニー ('64 アルフレッド・ヒッチコック監督)

 

ティッピー・ヘドレンと若き日のショーン・コネが主演のサスペンス。

1964年公開ということは、007シリーズでいうと「ゴールドフィンガー」の頃。

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映画「グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札」の中で、この「マーニー」のことがネタ(もともとヒッチコックは、すでにモナコ公妃となっていたグレース・ケリーに主演をオファーしていた)になっていたっけ。

 

真偽は不明だが、撮影中、ティッピーに対するヒッチコックのセクハラがひどかったとのこと。前作の「鳥」でも、鳥を使って彼女にひどい扱いをしていましたからね。可愛さ余って憎さ100倍というところでしょうか。

 

映画の出来としては☆2つ(5段階)といったところ。

 

Back To Stay / Leon Haywood ('73 20th Century )

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ヒューストン出身のシンガー&鍵盤奏者リオン・ヘイウッドの'73年のアルバム。もともとは'60年代の前半にサム・クックのバンドでキーボードを弾いていたということ。

'74年の『Keep It In The Family』や'75年の『Come And Get Yourself Some』もいいアルバムでしたが、この盤も歌よし、曲よし、演奏よしの三拍子揃っているもの。

ただ、他の2枚と違うのは、全体を通して流れるアル・グリーンをもっと都会的にしたような雰囲気。バックトラックもボトムが重いHiサウンドを幾分か軽くさせたような音で、「Fare Warnin'」なんて、まんまアル・グリーンのような曲調です。

アルバムは甘口のミディアム「La La Song」で始まりますが、サム・クック・スタイルの「There Ain't Enough Hate Around」で幕を閉じます。

ウェストコースト流ディープ・シンガーとしての彼のスタイルが確立された名盤といえる。


leon hayward / fair warning

 

Blue / Joni Mitchell ('71 Reprise)

インスタの方で #jonimitchell をフォローリストに入れているんだけど、最近、彼女の「River」を歌っている動画をしきりに見かけるようになった。そうか、これはクリスマスの歌だったんだよね。世の中はクリスマスで浮かれているのに、恋人と別れたばかりの女性の心情を歌った歌。この頃、JoniはGraham Nashと別れたばっかりだったそう。


Joni Mitchell - River

 

このアルバムの奥深さに気づいたのは、手に入れてから20年ほど経った頃。

そのきっかけは、ニコール・キッドマンが「Practical Magic」('99)という映画の中で、「A Case Of You」を歌っていたシーンを見て、打ちのめされたのだ。


A Case of You - Nicole Kidman - Practical Magic

さらにその後、Joni Mitchellのトリビュート盤に収められていたPrinceのカバーを聴いて、素晴らしい出来に驚かされた。


a case of u

こうして、名盤『Blue』の素晴らしさにやっと気が付くことができたのだ。

 

もう一つ。寺尾紗穂の日本語によるカバー。


A Case of You 寺尾紗穂

 

最後。James Blakeのもの。


James Blake - A Case Of You (Official Video)

 

「All I Want」のような有名曲もいいのだけど、やっぱり「A Case Of You」から「River」へと続くB面が素晴らしい。
Joni Mitchellが好きな女性と、彼女の音楽について語り合いたいものである。

Bebeto / Bebeto ('75 What Music)

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「真夜中に聴きたい音楽」

もう15年ほど前に、そういうお題でセレクトCDを交換し合ったことがある。

そのセレクト盤の1曲目に選んだのが、このアルバムの1曲目にあった「Batuque」だ。

マイナーなサンバ調の曲調が、静まった真夜中にピッタリだと思ったのだ。

 

Tamba Trioのベース兼フルート奏者、そしてヴォーカリストのBebetoのソロアルバム。

といっても、ルイス・エサ、エルシオミリートも参加しているから、もろにタンバ・トリオサウンドになっている。

ブラジル物といっても、’70年代アメリカS.S.W.やA.O.R.、ソフトロックのファンにも受け入れられそうな、ハート・ウォームでメロウな雰囲気のアルバムだ。


Bebeto - Bebeto 1975 ( Full Álbum)

Dance Your Troubles Away / Archie Bell & The Drells ('75 TSOP) 

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あの「Tighten' Up」のアーチー・ベル&ザ・ドレルズがフィラデルフィアのTSOPに残したアルバム。

'75年頃というとフィリー・ソウルの全盛期。

この盤にもバニー・シグラー、マックファーデン&ホワイトヘッドボビー・マーティン、ロニー・ベイカーら、フィリーのミュージシャンがきら星のごとく並んでいる。

ギャンブル&ハフの作るサウンドは洗練の度合いを強めており、フィリーにつきものの華麗な響きもほどよいものになっている。ミディアム・スローの「I Won't Leave You Honey, Never」やもよし、「I Could Dance All Night」や「The Soul City Walk」のようなフィリー・ダンサーはなおのこと良しのアルバムだ。

その中でもイチオシは思わずステップを踏みたくなってしまうような「Let's Groove」。ラストの「I Love You(But You Don't Even Know It)」も切なくなるような甘いバラード。

「Tighten' Up」しか知らない人にこそ聴いてもらいたい名盤。


Archie Bell & The Drells - Let's Groove