ジョニ・ミッチェルの最後のアルバム。
声だけに限って言えば、当たり前のことだけどフォーク期のような瑞々しさはない。
また、ジャズ期のような先鋭的なアレンジが施されているわけでもない。いたってシンプルな音作りである。
けれども、流れてくる音楽は力強く、圧倒的だ。
5年前の引退を撤回してこのアルバムをリリースしたのは、当時のイラク戦争に対する危機感だという。
37年前の「Big Yellow Taxi」を採録したのも、歌詞で取り上げた環境問題が、当時とは比較にならないほど悪化しているからだろう。
彼女が力を振り絞って世に放った歌をしっかりと受け止めておく。
Joni Mitchell - Shine